何年か前の出来事。。。
仕事である私立保育園の園長と打ち合わせをすることになった。
市の担当者は・・・「私、あの園長さんに嫌われてて、いつも叱られてばかりでねぇ。。。あの人苦手なんですよ。だから、今回は私、行きませんけど・・・人任せにしないで、直接話してきてくれませんか?」とのこと。
まったく・・・役人って、同じ役人同士でも縦ラインが違ったりして話しがしにくかったりすると、上手く立ち回って面倒な事は丸投げにする技に長けた奴のなんと多いことか・・・。
でも、お仕事。お仕事。
問題は、その結構うるさ型と思われる園長先生。
公営の保育園や幼稚園の園長ともなるとキャリアは長いし、最前線の現場の長だから、市役所のへなちょこ担当者など叱り飛ばすくらいの人はいても不思議ではない。
その園長先生とアポの取れた日、気分的には オスッ! と、気合を入れて朝、保育園に到着。
通された部屋で園長先生を待つ間、子供を送ってくるお母さん達をぼんやり眺める。
仕事を持つお母さんは、子供を保母さんにあずけるとそそくさと足早に仕事に向かう。
そうではないお母さん達は、まるで毎日集合する場所が決まっているかのような風情で園庭のあちこちで何組かの円陣が組まれ、何事か熱心に会議中。
その円陣で話されている内容・・・聞きたいような・・・聞いたら怖いような。。。
などと思っていると・・・
「お待たせしてごめんなさいね」
と、園長先生登場。
名刺をお渡しして、仕事の打ち合わせに入る。
こちらは園長先生の意向を探るべく、説明しながら園長先生の反応や表情を伺いながら、現在あるアウトライン通り進めていって良いかを判断する材料にしたいと思っている。
当の園長先生、市の担当者が怖がっているのが不思議なくらいに、にこやかに話しを聞きながら頷いてくれている。
“優しそうな人なのに・・・”と、私がちょっと拍子抜けしながらも、“じゃぁ、説明のスピードを上げるか”と思った矢先のことだ。
ふと顔を上げて園長先生と目が合った瞬間・・・とても柔和な笑顔と共にその言葉は園長先生の口から発せられた。
「ねぇ、私のことわかる?」
「えっ?」
と、戸惑いの一言を発しながらも・・・・わかった。先生だ!
「私、名刺いただいてすぐに○○(私の本名)君だってわかったわ」
そう。なんと、私が保育園児の時、担任の保母さんだった先生だ!
もういけません。しどろもどろになりながら・・・
「随分とお久しぶりで・・・」
などと間の抜けたことしか言えない私。
「当たり前だけど・・・大人になられたわね」
からはじまって、やれ、○○君は好き嫌いが多くてなかなかお昼を食べてくれなかっただの、あなたは元気が良すぎて他の子をよく泣かしていただの・・・こちらが赤面、発汗するような話しが次々に。。。
当たり前どころか・・・もうすっかり過ぎるくらい大人になっているのだが・・・
もう仕事の打ち合わせどころではない。もういけません・・・。
先生は・・・
「私、あにお頃より倍も横に広がっちゃったから、わかんないわよね。苗字も違ってるし・・・。でも、○○君達は、私が最初に担任させてもらった子達だから、よ〜く覚えているのよ」
などと仰る。
倍は大袈裟だが、確かに3割増しほどか。当時はとてもスマートでオルガンも歌もとても上手くて、綺麗な先生だった。
他のクラスの先生よりずっと綺麗で、それが子供心に何故だか自慢だったりした。
当時から確かに怖い先生で、仰るとおり好き嫌いの多かった幼き私は、瞬きしたらポロリと涙がこぼれるほどに目に一杯涙を溜めながら、他の子達がどんどん食べ終わって行く中、「ちゃんと食べなさい」と、先生に睨まれながら(今思えば、ちゃんと見つめてくれていたんだと思うが・・・)嫌いなモノを飲み込むようにして食べた記憶がちゃんと残っている。
怖かったけど、好きだった。“綺麗な先生でいいだろ〜”と、他のクラスの子達に言ったかも。。。おそらく言ったであろう。
そんな先生との予期せぬ再会。
覚えていてくれたことの嬉しさ半分。ガキンチョの頃の事をよ〜く知っている人と話す気恥ずかしさ半分で・・・その後の打ち合わせはしどろもどろから立ち直れず・・・。(笑)
仕事のことはさておき、その日保育園を出て、車で走りながら・・・まるで ジワワ〜ン と温かいものが心の中に広がるような気分になった。
さておいてばかりいられないのが仕事。
その後の仕事は園長先生との関係は極めて良好で、稀に見る楽しい仕事ではあった。
が・・・園長先生にが何事かあるとすぐに電話で「ちょっと来てよ〜」とお呼びがかかるし、若い保母さんに至るまで、私が園長先生の教え子だったということが吹聴、周知徹底されており・・・普通よりずっと気兼ねなしにあれこれ要望事項を告げられることにもなったのだが・・・それはまだ少し先のこと。
先生との再会のその日の私は、とにかく ジワワ〜ン とほっこりと心が温まっていた。
タイトルの割りに色気のある内容ではなく、すいません。
この記事は、いつも楽しいコメントをお寄せくださる「心こそ大切なれ・・・!」の主のLei Leiさんに少し前に投げかけられた疑問にもちょっとはお答え出来るものになったかな・・・と思ったりしています。**この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです**