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人間臭い信長を読む
- 2010/06/27(Sun) -
                         (Please click this photograph)
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                      おぉ・・・花弁に織田家の家紋が・・・(笑)


 織田信長と信忠親子の物語を読んだ。 明智光秀の乱により・・・父は本能寺で果て、息子は二条城で討死した。。。 父信長については多くの物語や映画やドラマで繰り返し語られてきたが・・・息子信忠についてはどうも父のように確固たるイメージが見えていないように思う。。。 よく語られることではあるが・・・信忠はなぜ明智の軍勢から逃れて再起を図らなかったのか? 時を稼いで織田の主力を京に呼び寄せれば・・・その後の混乱はまた別の話しとして・・・少なくとも光秀を討つことは出来たはずだ。 もし本能寺で信長が生き延びたとき・・・自分だけ逃げようとしたと後に信長に疑われることを恐れるあまりに信忠は二条城から動けなかったという解釈まであるほどだ・・・。 その信忠の人物像に迫りながら・・・魔王とまで呼ばれる信長を今までになく人間臭く描いた小説に出逢った。


                    844-3.jpg

                            『信長と信忠』 鈴木輝一郎 著


 天下統一への覇業に向いながらも内心ではもがき苦しむ信長の内面を描いているのがとても興味深かった。 息子信忠に対しても信忠が戦に参戦するようになってから当初は、実績も実力もある家臣を失うよりも信忠をおとりとして敵の前面に配置したりして・・・息子を捨石と見なす信長の冷徹さがあった。
 しかし・・・やがで信忠が戦でも与えられた領地の治世にも手腕を発揮すると・・・信忠を重用していきながらも、どこかで信忠が自分に乱をなすのではないかと恐れ出す信長も描く。。。 それは、信長の若き日・・・実母に溺愛される実弟が自分に背き、結果として実弟を自ら殺し、実母を追放したという経験が身に染みているから。。。 信長自身、自らは数千規模の兵を率いての戦には自信があるが・・・数万規模の軍勢を統制するのは信忠のほうが巧みだと認めていくことにもなっていく・・・。
 やがて・・・かつては捨石としてみていた信忠が出陣する際に 「死ぬな」 と命を発することになる。。。

 そして・・・本の帯にもある “その瞬間、織田信忠は父、信長を越えた!” という時がくる。。。 著者は何をもって信長が息子に越えられたと考えたか??? 私的にはとても興味深かったし・・・おそらくその境地に達した父親はまんざら悪い気分だけではないのだろうと思った。 


 信長は正室の濃ではなく、女としては年上の生駒の方を愛したことは良く知られている。 信忠の生母も生駒の方だ。。。 が、何故だか信忠は信長にも辛辣にものが言える正室の濃にだんだんと似ていくと信長は感じるようになる。 「遺伝」 ではなく 「意伝」 と言えようか?

 その濃と信長の夫婦関係がとても興味深い・・・本書では信長は濃が越し入れしてきたときに一度だけ体を重ねたが・・・それ以降は何もない夫婦として描いている。

 信長の意を微妙に先回りしているようなところがある濃に信長は 「ところで、濃・・・そこもとは、変な女だ」 と投げかける。 濃は臆するとなく 「自分でもそう思います」 と言ってのける。 そんな夫婦関係だ。

 印象的なシーンを抜粋する。 心を寄せた生駒の方が死んだ。 信長は、死化粧をほどこされた生駒の方の枕元にひざまづくと生駒の方に口づけをした。 そして 「死人の唇は冷たい」 とその場にいる濃に告げた。 そこにいた者が信長の行動に動揺する中・・・濃だけは平然としている。 濃にはその行動が信長なりの愛情表現だとわかっているのだろう。。。

 そして葬儀直前のくだり・・・信長が濃(美濃の方)に葬儀の差配を任せる。。。


 
 「濃」

 「はい」

 「嗣子がまだ決まっておらぬゆえ、葬儀の仕切りは任せる。俺はいまいちど、馬を責めて参る」

 「わかりました。たくさんお泣きあそばされませ」

 信長は美濃の方の方をみた。あいかわらず、何を考えているかわからないくせに、なんでも見通している女であった。

 「そうする」

 信長は抹香をにぎりしめると、生駒の方の棺桶に叩きつけた。

                                 (「信長と信忠」本文より)


 信長の内心の深い悲しみを見抜いている濃・・・そして、泣きなされと言う濃の言葉に素直に 「そうする」 と答える信長・・・ちょっと唸ってしまうような思いで読んだ。

 この物語は・・・尾張をまとめるために家臣に背かれながら骨肉の争いを繰り広げ・・・ある意味鬼にも魔王にもならざるを得なかった信長が・・・息子信忠を文字通り息子と認識していく・・・父という人の心が自分にもあることに気付いていく物語なのかもしれない。
 話しの展開のテンポも良く・・・とても読みやすく新たな 人間・信長像を描いた好著だ。


             844-2.jpg


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コメント
- おぉ。。 -

何と自然に花弁に家紋が浮かび上がって・・・って、そんなこと、ある訳ないし~。 

夫婦関係というか、男女関係というか、人間関係というか。。。
正室のプライド・・・なんてちっちゃな話しではなく、気質・性格なのでしょうが・・・嫉妬なんていう感情は、これっぽっちもなかったのかなぁ。。。 
2010/07/24 17:47  | URL | 待雪 #ARV1kx8o[ 編集] |  ▲ top

- 待雪さんへ -

戦国の世ですからねぇ。。。
武家の・・・ましてや大名の正室が嫉妬などあからさまに表に出したら・・・それはそれで笑われてしまったかもしれないですね~(⌒▽⌒;
2010/07/24 23:18  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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