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藤原さんが静かに語る・・・14編の物語
- 2009/12/13(Sun) -
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                       コスモスの影に隠れているのは・・・
 様々な人々の日常の中の様々な物語の中から・・・藤原新也さんが実際に当事者と話して後に記した14編の物語。。。 それぞれの物語にそれぞれの余韻が残る・・・。


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              『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』 藤原新也 著


 人は・・・生きていくのに歳を重ねれば重ねるほど・・・様々な出会いと死をも含めた様々な別れを経験することになる。 それは人と社会と関わりながら生きていく上で避けられない宿命だ。 人は一人では生きてはゆかれないのだから・・・出会いがあれば必ず別れはやってくる。 
 本書は、地下鉄に置かれるフリーペーパーに藤原さんが連載した物語の中から14編を選んで出版された。

 決して楽しい話しばかりではない。 いや、むしろどちらかと言えば話しの筋としては悲しい話しが多い。 だが、不思議とそれぞれの物語の読後感は辛いという感覚が残るばかりではない。 むしろ ジンワリ・・・ とした余韻と共にゆっくりと心の奥底からあるいは感動、あるいは共感などの感情が滲み出してくるような・・・そんな読後感がある。

 読んだ(漫画ではあるが、敢えて読んだと記しておく)ことのある人にはなんとなく汲み取って頂けようかと思うが・・・弘兼憲史さんが描いた 『人間交差点』 の雰囲気に通じるような・・・そんな物語が収められている。


 ある物語・・・
 久しく会っていない中学生時代の同級生からの手紙が届いた。。。 彼は殺人罪の容疑で裁判中であった。。。 病で余命短い妻に二人の想い出の地である尾瀬に連れて行くように頼まれ・・・妻がその尾瀬で命尽き、彼は殺人罪に問われた・・・。


 ある物語・・・
 男はある日、通勤電車の車窓から正式には離婚していないが家を出たまま行方がわからなくなった妻が好んできていたビーチドレスが干してあるのを目にした。。。 そこから、どこかが止まったままになっていた彼の人生の何かが動き出すことになる。


 ある物語・・・
 亡き母の墓参りで、彼は意外なものを目にした。 別れた妻が母の墓前に手向けた花と同じ花が。。。 春と秋、それぞれの季節にかつて妻が用意した花が墓前に手向けられているのだ。。。 その花に・・・別れた妻の影を強く意識しだしていくのだが・・・。


 決して映画になるような劇的な展開というわけではないのだが・・・生きている人達の人生の中に起こる様々な物語、そこには小さな奇跡とも思われるような “縁” を強く感じさせることも起こったりする。 そうした物語を藤原さんが静かに物語る・・・そんな一冊だ。

 かつて記事でも紹介した 『メメント・モリ』 とは風合は違う本ではあるが・・・この本の 『コスモスの陰にはいつも誰かが隠れている』 という印象的な書名と本屋で出会った瞬間・・・『メメント・モリ』 の中の “この土地にはアリバイがある。疑い余地がない” という短い言葉を思い出した。。。 瞬時に、まるで閃くかのように。。。 何故だか。 
 そして、迷うことなく本書を手にした。 書名を目にして、この本を手にするその澱みない一連の流れもまた “縁” なのかもしれない。 そう思えるほどに、それぞれの物語の随所で感情移入もしながら読み進めることの出来る一冊だった。


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コメント
- 装丁も印象的 -

『人間交差点』は柴田理恵さんがNHKで“私の一冊”というような10分か15分の番組の中で紹介していて、その時、お話しも2つ、3つ紹介がありました。

週末に、映画の『手紙』をBSでやっていて、本はずいぶん前に読んだきりで・・・途中からでしたが、観てました。

この『コスモスの陰には…』の記事を読んで・・・私は『人間交差点』はその2つ、3つしか知らないので、全然トンチンカンなのかも知れませんが、『人間交差点』と『手紙』が、ちょっと根底に流れている部分で繋がるような気がしてきました。

この『コスモスの陰には…』の読後感というのも “悲しくてツラいのに、でもどこか救いがあって、何とも心を揺さぶられる” ・・・そんな感じなのかなぁ と想像し。
そんな連載をのせているフリーペーパーもあるんですね。。。 
2009/12/16 00:34  | URL | 待雪 #ARV1kx8o[ 編集] |  ▲ top

- 待雪さんへ -

こういう物語がフリーペーパーに載っているなんて、ちょっと意外な感じがしますよね。
もし私がその地下鉄の利用者なら、そのフリーペーパーをささやかな楽しみにしそうです。

どこかに救い・・・というより、人生には辛いことも悲しいこともある・・・だから人生なんだという、ある意味の覚悟を再認識するような思いですかね。。。私はそう感じました。
2009/12/16 11:59  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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