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二人の軍師の生き様を読む
- 2009/10/30(Fri) -
                     (Please click this photograph)
                 611-1.jpg

              竹中半兵衛の心中の掘り下げ方がが興味深かった・・・

 秀吉が天下人となるのを支えた・・・日本史上稀に見る二人の名軍師・・・竹中半兵衛と黒田官兵衛の生き様、そして主に官兵衛の目を通しての動乱の戦国期を読む作品だ。


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                     『軍師の門(上)』『軍師の門(下)』 火坂雅志 著


 まず興味を惹かれたのは、竹中半兵衛の描き方が従来の時代小説とはやや違うところだ。 私もそういうイメージを持っているのだが・・・竹中半兵衛は私欲が無く、高潔なイメージがあったのだが・・・本書では半兵衛は半兵衛なりに野心を抱いており、もしまだ若くして病を得なければ、自身が天下を狙うこともあったやもしれぬという描き方をされており・・・そういう見方はとても面白いと思った。
 概して・・・半兵衛は無欲に描かれ、官兵衛は心の奥底に野心を潜めているように描かれることが多いように思うが・・・それは半兵衛は35歳の若さで世を去り、官兵衛は58歳まで生きているという両者の寿命の長さが影響しているともいえる。 半兵衛は自らの野心を行動に移す前に病を得、それによって秀吉の天下統一に自らの野心を重ねることに専念する道しか選択できなかったという考え方も出来ないでもない。

 本書は・・・高潔な知恵者であると竹中半兵衛に憧れた官兵衛が、その半兵衛に会いに行くところから始まる。 その頃の官兵衛は青雲の志し高く、私欲と絡まった野心など心に無く・・・そんな無垢な官兵衛が会った憧れの半兵衛は官兵衛が怒りと失望を感じるようなことを言ってのける。 だが、その後二人の人生は秀吉という 天の時、地の利、人の和 を得て天下人へと駆け上がっていく男の下で交わりを深め・・・早世した半兵衛の奥深い意はいつしか官兵衛に意伝されていく・・・。

 軍師といういわば究極のナンバー2という人物の視点から描かれた時代小説というのは・・・実は天下人になった人物を主役に据えた物語より、変えられぬわけもない歴史というものを眺める視点を広くしながら読めるように思う。



 読みながら私が考えていたのは・・・もし、家康より一つ年の若い竹中半兵衛が関ヶ原の合戦まで存命していたら・・・ということだ。 もう一人、家康より3歳年長なだけの豊臣秀長もその地点まで生きていたと仮定したら・・・。 結局最後まで動かなかった毛利輝元など総大将にすることはなく・・・当然西軍総大将は秀吉の実弟である大納言秀長、その脇には軍師として竹中半兵衛があり、半兵衛が生きていたなら官兵衛も秀吉に疎まれたりせずに、その時もまだ豊臣政権中枢で活躍していたはずだ。 西軍総大将は豊臣秀長、その脇には竹中半兵衛、黒田官兵衛という二人の名軍師あり。 そうであれば・・・豊臣恩顧の大名が家康の命に従うであろうはずも無く・・・いかに家康とて容易に関ヶ原で勝てると思われず・・・。

 と、ここまで想像を遊ばせてきた時・・・はたと気付いた。 秀長、半兵衛が存命している豊臣政権に戦を仕掛けるなど・・・あの慎重居士の家康がするはずはない。。。 すると・・・関ヶ原の合戦などこの国の歴史には存在せず、豊臣政権が続いていく。。。
 あるいは・・・家康が本多正信ら徳川家臣団に後事を託し、家康や秀長亡き後に豊臣と徳川の政権争いは実際の歴史より時を遅らせて勃発することになるのかもしれない。。。
 その時には・・・青年期を迎えた豊臣秀頼を父の代からの名軍師である黒田官兵衛が支え、一方徳川方は軍略の才は父親には及ばない徳川秀忠の脇に父の代からの名参謀である本多正信、その息子の正純あり・・・と。 なにやら、主君である劉備、曹操亡き後の孔明と仲達の知恵をめぐらした戦いの如くで・・・それはそれでとても興味深くも感じられる。


 
 このように・・・本書は、読みながら、実際の歴史とは違う様々な想像をめぐらせるきっかけともなってくれた。
 
 従来の描かれ方とは一味違う描かれ方をした竹中半兵衛ではあるが・・・本書の半兵衛もなかなか魅力的であり、戦国に生きた人物の中でも竹中半兵衛重治という人物が好きな人物の一人である私にとっても興味深い半兵衛像であった。


             611-3.jpg


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コメント
- 読書習慣・・・もとい、週間 -

天下人を主役にしたテレビドラマを見る程度の知識レベルでは、軍師はひたすら調略を謀っているようなイメージで・・・かなり偏っていて申し訳ないのかも。。。 ただ、合戦の時代・・・彼らが歴史を左右させるポジションだったということは分かります。


人が推薦していた本で気になったものは、読んでみたりもしていたのですが、自ら手に取って読む本というのは、しばらくご無沙汰しておりました。 なのですが、昔、読んで印象に残っていた本の続編が出たということで、その続編を読む前に、以前に印象に残った本を読んでみたいと思い、図書館に行ってきました。 「貸出中かな?」 と思いきや、人気がないのか?、一冊在庫があって・・・小難しい本ではないので、一気に読めました。 かれこれ6-7年経って、再度読んでみた本になるのですが、当時、印象に残った箇所を改めて読むと・・・若かったあの時の自分の感覚が思い出されて・・・悪くない時間でした。 
 
2009/10/31 22:37  | URL | 待雪 #-[ 編集] |  ▲ top

- 待雪さんへ -

そうですか~
6、7年を経て同じ本を読むというのは・・・過去の自分の感じ方と今の自分の感じ方の違いを 「読む」 ということにもなり・・・ある意味過去の自分と対峙するという部分もあるわけで。。。
いい機会を得ましたね!
私も何度か再読している本が何冊かあります。(^^)
2009/11/01 00:21  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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