2017 05 ≪  06月 123456789101112131415161718192021222324252627282930  ≫ 2017 07
スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
オオカミ犬ウルフィーとの旅路を読む
- 2009/06/25(Thu) -

                    470-0.jpg

                  We' la' mola ・・・ 様々な人に出会う旅、その旅の記録

 記事の本論に入る前に・・・前回の記事のエヴァ・キャシディの 「Fields Of Gold 」 を。。。 この曲がミッシェル・クワンがエキシビジョンで滑るのに使った曲であり・・・エヴァの曲の中で私が最も好きになった曲だ。 そして・・・今回紹介する一冊の本は、前回の記事に記したようにエヴァの歌声ととてもよく合い・・・まるでエヴァの歌声がこの本で語られるウルフィーとの旅の中に流れているBGMであるかのように・・・。 この記事を読みながら、このエヴァの歌声を聴いていただけたら幸いだ。

        


                    470-1.jpg

             「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」 田中千恵 著


 著者の田中さんは・・・1974年宮城県に生まれ、獨協大学在学中に探検部に所属。 19歳のとき、カナダ北部から北極海へ流れるマッケンジー河をカヤックで旅したことがきっかけで、カナダ極北の自然に魅せられそこに暮らす人々の暮らしに惹かれ・・・以来、度々カナダを訪れている。 現在は、山梨県八ヶ岳南麓にパートナーと在住。 本書は、2004年にカナダ西岸を一人旅(のはずが・・・途中からオオカミ犬の子犬の道連れが出来た)した旅の記録だ。


 とても優しい気持ちになれる本だ。 カナダ西岸の大自然の中をまるで読んでいる私も著者とウルフィーと一緒に旅しているかのような・・・そんな気持ちにさせてくれた。


 行き先は、北極圏ではなく、カナダ西岸に広がるレインフォレストと呼ばれる温帯雨林の森だった。・・・(中略)・・・私の中には、レインフォレストを歩いてみたいということ以外、特別な旅の目的はなかったけれど、何かに出会えそうな、かすかな予感だけはあふれていた。
                                        「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」プロローグより



 その旅ののっけから田中さんが感じていた出会いの予感のうちの大きな出会いが訪れた。 フローレス島のトレイルを歩こうと島に渡り、親切なロージーおばさんの家に泊めてもらったことがその出会いを呼んだ。



 熊やクーガー、オオカミなどの野生動物がいる森へ、女一人で行かせるのを不安に思ったのか、ロージーがこんなことを言った。
 「うちの子犬をお供に連れて行きなさい。そうすれば安心でしょう」
 彼女の家の外には、他のネイティブの人たちがそうしているように、首輪もつけずに放し飼いにしている子犬が一匹いた。生後三ヶ月くらいの、白い足と灰色の毛に覆われた雄犬だった。どこかの浜辺で村人に拾われた彼は、ロージーの手に渡り、ここで餌をもらって暮らしていたのだ。村にあふれる雌犬と野生のオオカミの間にできた子供だろうという話しだった。
 これがオオカミ犬ウルフィーと私の初めての出会いだった。
                                        「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」本文より



     470-2.jpg
                  (「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」挿入写真より)


 こうしてフローレス島での田中さんとウルフィーの生活が始まった。 最初はたがいに探り合いってところもあったが・・・すぐに打ち解け、良き旅のパートナーとなっていく。 そして一週間後・・・森を出てロージーの家に戻る日となった。。。


 この一週間、四六時中頭の一部にこびりついて離れなかった想い。オオカミ犬の子ウルフィーとこれからも一緒に暮らしたい。
 美しい、小さな森の命に、私は完全に恋に落ちてしまっていたのだ。

             ・・・・・・・・・・ (中略) ・・・・・・・・・
 
 その日の夕方、私は思い切って気持ちを打ち明けることにした。
 ロージーに向かって、思わず姿勢を正した私は、ウルフィーと過ごした一週間のこと、彼が自分にとって大切な存在になっていること、できれば彼を引き取って日本に連れて帰って一緒に暮らしたいと考えていることを偽らぬ気持ちで、正直に説明した。 もし、これで駄目ならそのときはすっぱりとあきらめようと、自分の中ではもう気持ちのけじめはつけてあった。
 ロージーは・・・
                                        「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」本文より 
 


     470-3.jpg
                  (「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」挿入写真より)


 ロージーの家を出てからもさらに田中さんのカナダ西岸の旅は続く。。。
 主にネイティブの人達との出会いやふれ合いが描かれていくが・・・本書が親しみやすく感じるのは、豊かな自然の賛辞し、その自然を守らねばならないと大上段に構えず、あくまでその自然を訪れている旅人の視線で語っていること。 ネイティブの人達の伝承や文化についても、話しは聞きはするが自分はあくまで日本という異国から来た者という、いい意味での彼らとの距離感を失っていないこと。。。 そうであればこそ、読んでいる同じ日本人である私も感情移入しやすいというものだ。 いきなり実際に行った事のない地の大自然を守れとあまりに力説されても、異文化のネイティブの文化を大ベタ褒め大会されても・・・正直、なかなか乗っていけないだろう。
 何度もカナダを旅している人ではあるが・・・あくまで異国からの旅人であるという自分を地元密着した視点で語っていないのがとても好感をもてた。

 そして・・・ネイティブの人達の文化の多彩さに触れながらも、ネイティブ社会にも蔓延する 薬物やアルコール依存 など・・・影の部分にも言及しているのが本書に深みを持たせていると感じた。

 また・・・日本から遠く離れた地で想う、日本の家族、そしてパートナーへの想いも旅情感と相俟って考えさせられた。
 そして・・・旅先で知った家族の不幸。。。 実は、その不幸は自然の生き物の姿によって暗示されていたのではないかと深く思うようになっていく著者の心の動き。。。
 やがて、自然の中で起こること・・・それは偶然ではなく必然であると思い至るようになり・・・特に目的を持たないはずであったこの旅にも必然的な目的があるのではないかと・・・旅が進むに連れ、その 心の思索 も深まっていく。。。

 私的には・・・このような旅が出来ること。。。 憧れをも感じる。。。 この本を読んで後、田中さんとパートナーさんの暮らしぶりの一端が垣間見られるH.P.も読んだりして・・・二人の暮らし、その関係にもとても好感を持った。

 読書の醍醐味のひとつである疑似体験・・・まさに、自分もカナダ西岸の自然の中を旅しているかのような、そして遠く故郷を離れているからこそ考える故郷にいる人々への想い(そういう心の動きも心の旅と呼んでよいのかもしれない)・・・そんな醍醐味を感じさせてくれる素敵な本に出会うことが出来た。
 そして・・・本書の味わいを深める役割を担ってくれたエヴァ・キャシディの歌声・・・両者を同時期に知ることになった偶然も実は必然であるのかもしれない・・・そんな気にさえなる。

 ウルフィー・・・その愛すべきオオカミの血を引く子犬・・・その姿は田中さんのウルフィーへの愛情が読む者にも伝播し、とにかく愛らしくて愛しくてたまらなくなる。 それはもうなす術なく手放しで!


             470-4.jpg
                  (「ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路」挿入写真より)


            **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです**

                           ブログランキング・にほんブログ村へ  
スポンサーサイト
この記事のURL | | CM(6) | TB(0) | ▲ top
<<ねむの木の歌の作詞者は・・・なんと・・・ | メイン | エヴァ・キャシディを知っていますか?>>
コメント
- -

この本は読んだことありませんが その生き方や舞台から 

星野道夫氏の「ワタリガラスの旅」等 リンクしちゃいますね♪

今度 是非 読んでみます^^

ありがとう~o(*^▽^*)o~♪
2009/06/25 00:19  | URL | なっち♪ #-[ 編集] |  ▲ top

- なっち♪さんへ -

以前記事にもしましたが、私の読んだ中では・・・『ホクレア』~ 星が教えてくれる道~ 内野加奈子著・・・に近いような風合のある本だと感じました。

田中さんが旅する世界へすんなりと入っていける素敵な本です。手にとっていただければ幸いです!(^^)
2009/06/25 11:09  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top

- エヴァの歌声と共に読ませていただきました♪ -

カナダの自然と言えば星野道夫さん…と書こうと思ってコメント欄を覗いたら、すでになっちさんが星野さんの名を…。
びっくりしました。
不思議な偶然ってあるんですね~。

私もぜひ読んでみたいです>『ウィ・ラ・モラ―オオカミ犬ウルフィーとの旅路』。
あ~、欲しいけど本ばかり買ってる状況なので。。
図書館もリクエストしまくり人間だし…。

でも読みたいものは読みたい!
なんとか手立てを考えます^^
2009/06/25 20:17  | URL | sayo #q7XswXQk[ 編集] |  ▲ top

- sayoさんへ -

私は読んだ事はないのですが、お二人とも星野さんの本を読んでいらっしゃるんですね。
カナダの自然に魅せられる人って多いですよね。

私も・・・本屋に立ち寄ると必ずなにか買ってしまうことになるので・・・本屋に行くことを若干控え気味です。
なんせ・・・部屋にもまだ読んでない本の山がありまして。。。(汗)

でも・・・ウルフィーとの旅、ぜひ味わっていただきたく~(^^)
2009/06/26 00:09  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top

- てっきり -

…文中の「田中さん」とあるのは、てっきり男性かと思って読んでいました。

文字を目にすると、とりあえず先に最後まで進みたくなってしまって、斜め読みになってしまうのが悪いクセ。。。最後まで行ったら、また元に戻って、ゆっくり安心して?読むという。。。あまり褒められた読書法ではありませんが。
戻った時に、最初はしっかりスルーしていた扉の写真をクリックして大きくしてみたら「田中千恵 著」とあるではないですかー!

ウルフィー…名前もいかにもで、シンプルでいいですね。写真のウルフィーは、写真だからか、それともこれらの写真でも性格が映し出されてしまうのか、大人しくて、いつも静かに一人で遊んでいそうな、あんな目で見つめられたら…一週間も一緒に過ごしたら離れられなくなるというのが分かるような気がします。
2009/06/26 21:12  | URL | 待雪 #-[ 編集] |  ▲ top

- 待雪さんへ -

です。です。この本の著者は女性です。
旅慣れているから良いものの・・・一人で森のキャンプはなかなか勇気が要ると思います。

ウルフィー・・・確かに基本は大人しいのですが・・・子犬らしいやんちゃさも発揮してくれるし、野性の血を感じさせる思わぬ行動もあったりして・・・そこがまた田中さんの心をひきつけて離さないんでしょうね。
2009/06/26 23:16  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://hananosakuoto.blog52.fc2.com/tb.php/614-80106ce2
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。