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信長を読む
- 2009/04/30(Thu) -
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                     織田信長関連の小説を2作続けて読んだ
 大河ドラマ『天地人』が好調のようだ。 今年の大河は、単に話題性のあるキャスティングだけではなく、毎回 “見せ場” があり、私も楽しみに観ている。
 前回は、信長の天下布武の方針に異心を抱きつつある明智光秀が松方弘樹演ずる徳川家康を茶室に招いたシーン・・・それとなく家康に信長に対して抱く真意を探り、家康は何も答えないながら、光秀の信長に対する敵意を感じ取りつつも、このことは他言はせぬと含みのある言を・・・なかなか見応えのあるシーンだった。。。
 この『天地人』では、吉川晃司の織田信長が出色だと思って観ている。 吉川・信長が登場するシーンの緊張感、そして怜悧な雰囲気、ごくたまに見せる苦悩・・・なかなか良い感じ。
 その吉川・信長に触発されて織田信長の本を読もうと思い立ち、かなり以前に信長の小説を買ったはずだと・・・積ん読の山を探索・・・見つけた!それも2作品。。。(笑)
 奇しくも2作品とも天下統一を目前にして本能寺に斃れた信長の栄華と本能寺の闇についてが主題で・・・まさに『天地人』の現在の信長に重なる。 大河を観ながらドラマを織田信長側から眺めるのにちょうど良い。


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                          『信長殺すべし―異説本能寺 』 岩崎正吾 著

 この作品は、舞台で信長を演ずることになっていた役者が怪我で入院することになり、役作りからのめりこんでいった信長の本能寺の謎に迫っていく・・・という内容。
 正直言って小説として読んだらイマイチなのだが・・・それでも・・・明智光秀謀反の黒幕について・・・秀吉説、家康説、朝廷説・・・と検証していく過程はとても読み応えがあるし、それぞれの説に説得力があってなかなか興味深かった。


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                            『信長燃ゆ』 安部龍太郎1著


 この作品は素晴らしい。 何故もっと早く読まなかったのかと後悔したほどだ。。。
 信長を単に “稀代の天才” “冷酷な魔王” と描くのではなく “人間・織田信長” として見事に描ききっている。
 日本の天下統一だけではなく、その先の大きな野望を秘めた信長の内心の焦燥と悩み。。。 しばしば冷酷な戦闘や部下への仕置きをする信長の内心の苦悩。。。 特定の部下が台頭せぬよう部下への細心差配。。。 そして、弟を寵愛し信長を疎んじた母への屈折した想いによって女性を信じられなくなっていた信長に・・・恋心を抱かせるにも至る物語。。。 なんとその相手は東宮夫人! 今で言えば皇太子妃だよね。。。 そんな奇想天外な!と思えるような信長の色恋が・・・信長を亡き者にしようと動いていく朝廷守護を重んじる勢力の動きと相俟って、必ずしも荒唐無稽には思えないように絶妙に物語は進行して行く。。。 しかも、その信長の色恋・・・すこぶる艶っぽく描かれる。

 武田を滅ぼした後、家康の饗応で富士山を眺めながら悠々と東海道を下って安土へ戻ることにした信長がその一行に同行した晴子(東宮夫人)をある夕暮れ本栖湖へ舟遊びに誘った。
 日が翳り始め・・・湖の岸辺に明かりが灯り、その明かりは湖を囲むように横に広がっていった。 信長が部下を湖を囲むように配置し松明の明かりを灯して湖を囲むという演出だ。。。 そして、信長に言われて船上で振り返った晴子の目には夕日で真っ赤に染まった富士山が・・・

 本文より一部抜粋・・・

 “「晴子」
 信長が名を呼び捨てにしたが、晴子は少しも不快ではなかった。初めて女として認められたようで、嬉しさがじわりと込み上げて来た。
 「余を獲るつもりなら、ためらったりするな」
 さすがに信長である。晴子がなぜ同道したかを正確に見抜いていた。
 「人は一人で生まれて一人で死ぬ。物事にもとらわれずに、信じた通りに生きればよい」
 「は、はい」
 「ただし獲りそこなえば首が飛ぶ。それが戦というものだ」
 「承知いたしました。今宵のお成りをお待ち申し上げております」
 晴子は信長の手を取り、指の背から甲へとそろりとなで上げた。それが何を意味するか、分からないはずはない仕草だった。”


 と・・・決してベタに甘ったるい色恋ではない。 が・・・なんとも艶がある。
 当然ながら、この後の展開は・・・一層の艶が。。。


 前にもどこかの記事で述べたたように思うが・・・天皇家断絶の最大の危機は、言うまでも無く太平洋戦争の敗戦時だよね。。。
 あともう一つ挙げるとすれば・・・織田信長が本能寺で没しておらず生き続けたら・・・その時も天皇家存続の大きな危機が訪れたであろうことは想像に難くない。
 この小説を読んでその感を一層深くした。 信長の目は本能寺の変の頃にはすでに世界に向けられており、そのために役立つ朝廷なら使いもするが・・・役に立たないとなれば・・・。
 そう考えれば、後の秀吉の朝鮮出兵など、信長の大いなる野望のほんの断片の残像を模倣したようなものとしか思えなくなってもくる。

 日本が旧態然の混沌とした状態を繰り返している限り世界から取り残され・・・やがて日本も列強の餌食となろう。。。 そうしないがために古き体制を一気に突き動かしていかねばならぬという信長様のなされようは正しい・・・明智光秀は誰よりもそれを理解していたのかもしれない。。。 が、その光秀がどのようにして本能寺に自軍を向ける事態に陥っていったのか・・・? その企みを察知した晴子はどう動いたか・・・? 最後までぐいぐいと引き込まれて読むことが出来た。


 この2作を読んだおかげで 『天地人』 を観るにも・・・ “その頃信長はどう動いていたか?” というドラマの進行の裏打ちが自分の中に持てるようになった。。。
 惜しいのは・・・吉川・信長・・・もう少し見ていたい。
 いっそ・・・『信長燃ゆ』を吉川晃司で映像化してくれないかなぁ。。。(笑)

 ともあれ・・・『天地人』の中で信長が本能寺の炎の中に没するシーンが来るまでにこの2冊を読み終えられて・・・メデタシ!(大きな頷き)・・・である。
 

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コメント
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おはようございます^^
怖いけど。ありえないけど。呼び捨てにされたと想像してみただけで、くらくらします・・
ありえないことが味わえるの読書の良さですね。読んでみたいです~
高校生の頃吉川ファンで,その頃の印象知らないほうが素敵に見えるかも(へんな感想です。)
2009/05/02 08:35  | URL | yuyu #xIqzmozA[ 編集] |  ▲ top

- +yuyuさんへ -

信長に・・・呼び捨てされたら・・・くらくらするでしょうね~!(*^m^*)
ホント、読み応えのある本だし、いわゆる戦記物とはちょっと違って信長はじめ 「人」 を描いているから、実は女性にも読みやすい本だと思うよ!お奨め!

仰るとおり!良い小説は・・・ありえない事、経験できない事であってもその世界を上手に疑似体験させてくれる作品だと私は思っています。
そういう意味でいかにも日常、日々のあれこれをダラダラ綴っているような小説はかなり苦手です。。。(⌒▽⌒;
2009/05/02 11:22  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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