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女性が描く女の官能の深淵
- 2009/03/09(Mon) -
                    358-1.jpg

                    『 ダブル・ファンタジー』
                       村山由佳 著


 読者騒然、「週刊文春」史上最強の官能の物語、ついに刊行!

 「ほかの男と、した? 俺のかたちじゃなくなってる」

 「どうしてわかってしまったのだろう。こういうふうにされるのが好きな女だと」

 と・・・扇情的な言葉が帯に踊り、装丁の写真にはスレンダーな女性のヘアヌード写真が使われている。
 著者の山村由佳・・・今までに作品を読んだ事はなく、私にとってはこの本が最初の作家だ。
 今まではオーソドックスな恋愛小説を多く書いてきた人らしい。。。

 その山村由佳さんの今までのファンにとっては、本書は評価を真っ二つに二分しているようだ。
 新たなチャレンジと言う意味で今後のさらなる脱皮を期待する声と、今までの彼女の作品の雰囲気との違いに戸惑う声と。。。
 それは・・・今後彼女がどういう作品を生み出すか・・・それによって後日、本書の真の評価も定まるだろうと思う。 後からみれば・・・彼女の作品にとってこの作品が更なる飛躍への大きなターニングポイントになる作品だったということになるのか? あるいは、多くの作品の中にあってこの作品のみ別物扱いされるような異色作となるのか?
 Seion個人的には前者であってもらいたいと思わないでもない。。。 通り過ぎてきた後ろを振り返るようではクリエーターとしては ちょっとどうかな・・・ と思われるから。。。
 男と女の関係も・・・愛情に裏打ちされたクリエイティブな遊び心のようなものを持っていないと・・・ね。 過去の感情頼みでは・・・長く続けるのはなかなかしんどい。
 “好きだった” を “好き” と思い込むようなことではなく・・・ささやかな事でも良いから “小さな新しい好き” を生み出していかないとね。。。
 本書内にもそれと通ずるような一文がある女性によって語られている。

 “これだけは言っとくけど、男の物書きも、女の物書きも同じだよ。 恋愛方面で枯れたら、作品も一気に枯れるんだからね”

 かのボブ・ディランもアコーステックギターからエレキギターにギターを持ち替えたときには・・大きな議論を巻き起こし、従来からのファンからの非難の声は相当なものだった。
 そういう “過去から現在まで” に心地良く安住しがちなファンをも引きずって新境地に挑み、ついには納得させてしまうくらいのパワーが創造する者にとっては必要な時もあると思う。

 それはさておき・・・

 女性としては、なかなかに辛辣に “女の性” を描こうという意欲は感じられる作品だ。
 誰だったか失念したが・・・「源氏物語」の光源氏を取り巻く様々な女性は、実は、物語の作者である紫式部という女性の持つ多面性がそれぞれの女性となって描かれているのでる・・・という説をとなえた人がいた。。。 
 「源氏物語」を読んでいない私にとっても、その考え方はとても斬新で興味深いものとして感じられた記憶がある。
 本書もある意味そういう観方が出来るような気がする。。。
 主人公、奈津が短期間に数人の男と肌を合わせていく経過を描くこの作品、相手の男によって奈津は様々な感情、表情、そして体の反応を見せる・・・それは何も本人自身が “性欲が強い” と意識している奈津だけのことではなく、顕在化している、いないはこの際別として・・・ほとんどの女性が持っている “多面性” “多様性” を表現しているのではないか・・・と感じたりもした。(当然個人差はあるんだろうが・・・)
 その様々な顔を見せる奈津に比べて・・・相手となる男が実に決め付けられて平板化されたような単純なキャラに描かれているのが・・・ちょっと惜しい気もしないではないが・・・まぁ、奈津を通して女の持つ多面性、そして官能の深淵さを浮き立たせるためには、相手の男のキャラは必要以上に複合的にはしない方が描きやすかったのかもしれない。。。

 官能的とはいっても・・・決して安っぽいエロ小説などではない。
 時にあからさまな表現で記しながらも、決して品がなくなるわけではなく、文章から想像出来るビジュアルもAVのような陳腐&摩訶不思議なものにはならず・・・想像するに足るエロティックな雰囲気を保っている。
 扇情的でありながら猥雑にはさせず・・・その辺りの 筆加減 は著者も心を砕いたところだろう。。。
 ある意味、渡辺淳一氏の小説に通ずるようにも思われそうだが・・・渡辺氏は豊富な経験を通して女性の官能の深み を分析もし、理解もし得るとは思うが・・・どう転んでも絶対に出来ないこと。。。 それは、女性の感ずる性欲、そして快感を 「体感」 すること。。。
 本書の著者は 生身の女性 であり・・・渡辺氏の描く女性の官能は、天井からベッドの上の女性を冷静に俯瞰して描ききる書き方であるのに対し、本書は著者の体内から沸きあがってくる気持ちや衝動を体感的に描く・・・という違いはあるように思えてならない。

 男の私としても “なるほどね。。。” と、参考(何の参考なんだか・・・笑) になることが多々ある本だった。
 
 で、一つ確認しておかなければならないことは・・・この小説が女性に共感を得られるものか・・・? 共感までには至らなくても拒絶されるものではないだろうか・・・? ということだ。 なんせ、男性読者が多い週刊誌に連載されていた作品だからね。

 で・・・かなり際どい場面の部分を10ページほどかな。。。実際に読んでもらった。。。
 その反応は・・・

 “ちょっと大袈裟な~と思うところもあるけど、そうそう と、頷けるところもあるかな・・・” 

 という反応で・・・概ね反発や拒否反応はない。。。
 その後ひとしきりSexに関して話しが出来たのも本書の “思わぬ効用” とはなったのだが・・・この時点で私のこの本が女性にも受け入れられるかどうかの確認作業は終わっていなかった。
 
 この本を読むように勧めてはいけない。。。 自発的に 読む というか否か・・・その点が実は最大の確認ポイントなんだ。。。
 少し読んで共感の欠片も感じられない本を自ら読もうだなんて思いもしないだろうからね。

 やがて・・・

 “今読んでいる本を読み終わったら・・・借りていこうかな・・・” 

 この一言をもって私の確認作業終了。
 その結果・・・やはり女性の官能の深淵さを知るには参考足り得る本であると・・・一応私的に結論しておく。。。ことにしよう。。。( ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄)ニヤリ。。。

 記事の最後に・・・印象的な奈津の言葉を・・・

 “恋しかった。もう一度逢いたかった。逢って、まためちゃくちゃに抱き潰してもらいたかった。”


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