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ホラーの域を超えた鈴木光司新作
- 2009/03/04(Wed) -
                 352-9-3.jpg

                     『エッジ』 鈴木光司 著
 私にとって、とても引力の強い作家が何人かいる。
 例えば・・・ジャック・ライアンシリーズのトム・クランシー、検死官シリーズのパトリシア・コーンウェル、日本人作家では近年は福井 晴敏・・・といった作家さんたち。。。

 何を思って 「引力」 という言葉を使ったかと言えば・・・小説というのは読み進んでいくうちに次第にクライマックスに近づいていくわけで、そのクライマックスにその物語の 「核」 となることが書かれてもいるし、当然ながら書いた作家の最も書きたいこともその 「核」 に記されている場合が多い。
 読み進んでいきクライマックスに近づけば近づくほど、まるでそのクライマックスにある 「核」 持つ引力に引きずられるようにどんどん読み進むスピードが上がって一気に読んでしまう小説が確かに存在するからだ。
 もちろんそれは人それぞれ好みの作家、小説によってその 引力 を感じる作品は違うわけだが・・・。

 『リング』~『らせん』~『ループ』と続く一連の鈴木光司の作品もそうだった。。。
 あまり怖がりでもなく、中学生時代に真夜中に横溝正史作品を読んでもまったく平気だった私が・・・たまたま書店で手にした『リング』の今までに感じたことのない不気味さは・・・夜中に読んでいて・・・何度か背中に何者かの視線や気配を感じてしまうような・・・そんな気にさせられたものだ。。。
 が、その新感覚ホラーは 『らせん』~『ループ』 とホラーの域を超え、映画の 『マトリックス』 の世界観に近いようなストーリーへと意外な展開を見せていった。。。


 『リング』といえば・・・原作を読んで、劇場には行かなかったがビデオで映画を観た。
 主役が男性から女性へと設定が変えられてはいたが・・・小説の不気味さをよく映像化しており、ラストの貞子がTVから出てくるシーンの動きは圧倒的に怖かった。。。
 いまだに日本のホラー映画は、あの貞子の怖さを踏襲しているものが多いように思える。。。

 その映画『リング』が初めてTV放映される夜・・・たまたまある女性と電話で話していた。。。
 聞けば、彼女はまだ 『リング』 を観た事がないという。

 “観てみれば~ いうほど怖くないから~” (と、初めて観る人には十分怖いと承知のうえで・・・(*^m^*) )

 “ホント~? 観た人は怖かったって言ってたよ~”
 
 と彼女。

 “劇場じゃないんだから~ TVで観るなら怖くないって”  

 “じゃぁ~ 観てみるね~”

 と、案外気楽に 観る と言った彼女。。。
 内心・・・しめしめ・・・きっと。。。 ( ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄)ニヤリ。。。と、内心してやったりのSeionだった。。。

 私はすでにビデオで観ていたので・・・気楽に観ていたが・・・やはり、問題のビデオを見終わってすぐに電話が鳴って・・・死が決定付けられるというストーリー展開の不気味さは何度観てもやはり不気味だった。。。
 
 “今頃彼女は・・・” と、意地悪い想像もちょっと楽しかったりした。。。

 やがて・・・貞子がTVから這い出すシーンも終わり、TVでの 『リング』 放映終了・・・

 と、同時に私の部屋の電話が鳴り出した。。。 
 映画終了と同時に鳴り出した真夜中の電話。。。さすがに “ギョッ” とした・・・(◎-◎;)
 一呼吸置いて子機の通話ボタンを押すと・・・

 “どうしてくれるの~!!!あんな怖い映画観ちゃって、眠れなくなっちゃったじゃなーーーい!!!責任とってよ~!!!”

 という、映画の始まる前に話していた彼女からの怒りの電話だった。。。(笑)
 
 良かったぁ~ 『リング』 のように死の予告電話じゃなかったぁ~ (爆)

 その夜・・・『リング』を観てビビリまくりの彼女の気持ちが和むまで・・・長電話につき合わされた。。。


 おっと、いつまで経っても本題に入られない。。。(笑)

 『エッジ』・・・この小説をホラーだと捉えるのはそもそも無理があるように思う。。。
 世界で起こった不可解な事例、解明されていない謎の多い文明遺産、最先端の物理学論理など・・・筆者の事前準備、興味の範疇の広さにはまず舌を巻く。。。
 そうしたことをストーリーとして構成していくには、この上下巻という枚数では足りなかったのではないかと思えるほどの壮大な(敢えて、大風呂敷・・・とは言わないが・・・)ストーリーであり、ホラーというよりSFというカテゴリーの方が相応しいと思う。。。

 ただ・・・家族全員が忽然と姿を消した民家の中での状況などには 『リング』 で感じたような説明し難い不気味さが漂っており・・・それなりに楽しめた。。。

 ホラーだと思って読めば・・・かなり期待を裏切られる展開ととにかく細かい事は霧の中のままで押し込んで蓋をしてしまったかのようなラストには・・・大いに不満を感じるだろ。。。
 現に、鳴り物入りで出版された割には、決して評判も高いとは言えないようだ。。。

 だが、私は個人的に考えていたことと著者の用意したラストがマッチングすることも多々あって・・・それなりに楽しめた。
 ナスカ地上絵をはじめ謎の多い遺産・遺構を語るに・・・宇宙人関与説って必ず語られるが、それよりも実は著者が描いた展開の方が納得できたりする。。。

 産業革命以来、科学万能主義的な西洋の思想は世界を飲み込み、地球を傷め続けてきた。
 科学万能、いや、優先主義もこのままではどうやら明るい未来をもたらしてくれそうもないと考えざるを得なくなってきたし・・・社会主義に勝ることが証明されたはずの資本主義もアメリカの金融危機をきっかけに世界同時不況に陥るに至り翳りに翳ってきている現状を考えるにつけ・・・ “論理的に普遍であること” “科学的に証明されていること” を見直し、異を唱えるような・・・そんな新思考法、新理論が生まれないとますます高く、厚くなる 問題の壁 を人類は乗り越えていけないのかもしれない。

 そういう意味で・・・人類の立つ科学によって証明されているはずの世界観は・・・実は磐石なのではなく、剣が峰のような “エッジ” に近いような危ういものなのかもしれない・・・とは改めて考えさせられた。。。


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コメント
- -

怖いんですか・・ でも読んでみたいような。
エッジ、ググッてみたら作者の方本人の動画が。
最先端科学・・。うう無理そう。でも10年の準備期間と。

新聞にネット書評家の浅沼ヒロシさんの記事。Seionさんも書評家みたい・・    当ってたりして。(今日こそ私イエローカードかしら^^;;)
2009/03/04 08:54  | URL | +yuyu #xIqzmozA[ 編集] |  ▲ top

- +yuyuさんへ -

あはは。。。(●^o^●)
そんなに怖くはないよ。不気味な雰囲気は漂ってるけどね。
先端科学の論理についての説明は・・・正直理解しきれないまま読了。。。(⌒▽⌒;

そうそう!
龍馬情報・・・今、かなり前にかって 積ん読 にしておいた 加来耕三 著 『龍馬の謎<徹底検証>』(講談社文庫)を読んでいてもうすぐ読み終わるんだけど、思った以上にカッチリした内容で読み応えあり。
小説は小説として、人間龍馬、その生きた時代の流れがとてもよくわかり、龍馬を軸としてとらえた幕末の歴史がとてもよく整理されてる好著。
司馬版竜馬を読み終えたら・・・お奨め!(⌒_⌒)

以上、書評家Seionでした!(嘘、嘘・・・笑)
2009/03/04 11:46  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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