2017 08 ≪  09月 123456789101112131415161718192021222324252627282930  ≫ 2017 10
スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
萩原朔太郎、人妻を慕いて果てに・・・
- 2008/03/15(Sat) -

                  022-1.jpg

           新たに発見された萩原朔太郎の葉書
    ☆ ・:*:・゜ ,。 ・:*:・゜☆ ・:*:・゜ ,。 ・:*:・゜☆

        夜汽車

     有明のうすらあかりは
     硝子戸に指のあとつめたく
     ほの白みゆく山の端は
     みづがねのごとくにしめやかなれども
     まだ旅びとのねむりさめやらねば
     つかれたる電燈のためいきばかりこちたしや。
     あまたるきにすのにほひも
     そこはかとなきはまきたばこの烟さへ
     夜汽車にてあれたる舌には侘しきを
     いかばかり人妻は身にひきつめて嘆くらむ。
     まだ山科は過ぎずや
     空氣まくらの口金をゆるめて
     そつと息をぬいてみる女ごころ
     ふと二人かなしさに身をすりよせ
     しののめちかき汽車の窓より外をながむれば
     ところもしらぬ山里に
     さも白く咲きてゐたるをだまきの花。


          022-2.jpg


   ☆ ・:*:・゜ ,。 ・:*:・゜☆ ・:*:・゜ ,。 ・:*:・゜☆

萩原朔太郎の「夜汽車」
人妻との逃避行(駆落ち)の模様、心情を詠んだ詩。

今日の夕刊に萩原朔太郎が、北原白秋門下の後輩歌人で東京在住の河野慎吾に宛てて書いた自筆の葉書6通が新たに見つかり、高崎市保渡田町の県立土屋文明記念文学館で展示されているとの記事があった。
朔太郎が10年近く想いを寄せた女性であるエレナとその夫との間に起きた事件の詳細などが明かされている。

エレナは朔太郎の妹の友人で、馬場仲子という女性の洗礼名。朔太郎とエレナは朔太郎が19歳前後頃に一時恋に落ちた。
しかし、朔太郎23歳の年、エレナは高崎の佐藤医師に嫁いでしまう。
だが・・・その後も朔太郎は人妻となったエレナを理想の女性と思い続けた。

そして・・・この葉書に記された事件が起こったのは朔太郎が28歳の大正3年。
葉書のよると・・・

「ゆうべ高崎でひどくよっぱらって取り返しのつかないことをしてしまった。エレナの××を恐喝しエレナに獰猛な手紙をぶっつけたのだ。長い間の秘密はばくろした。僕は手紙に本名を書いたのだ。もう今夜は生きた気がしない。ピストルで自殺したい」(抜粋)

とある。エレナの夫に自分の名前を知らせるような「事件」を朔太郎が起こしていたことは、河野へのはがきと同じ日に書かれた白秋への私信で、以前から知られていた。

 「私はエレナのハズに本名を知らした。長い間秘密にして居た二人の交歓もこれでおしまひだ」(抜粋)

河野への手紙に出てくる「エレナの××」が、はっきり「ハズ(ハズバンド=夫)」と書かれている。
要するに・・・泥酔した朔太郎は、佐藤医師宅に押しかけ、佐藤医師を恫喝したばかりか、自らの名を記したエレナへの手紙を夫の見ている目の前でその妻のエレナに投げつけるという行為に及んだのだ。

冒頭の「夜汽車」の人妻はエレナがモデルであると言われている。
つまり、エレナとの駆落ちを想像して書かれた詩が「夜汽車」なのである。

現在であれば、このような痴話もそう珍しい話しではない。
が、時は大正初期のこと。酔いが醒め、自分のしでかしたことの重大さに苦悩する朔太郎の心情は察するに余りある。
この失態で、道ならぬ恋ではあるが・・・あるいは人妻となったエレナとの間に再燃していたのかもしれない恋も吹っ飛ばしてしまったことだろう。。。

しかし・・・朔太郎の溢れるような恋の熱情が創作意欲の源になっていたことを物語る逸話ではある。
情の感じられないサラリとした恋愛小説より、やはり情を感じる恋愛小説のほうが読み応えがあるように、やはり恋を物語る文学に熱情は必要なのだと思う。
もちろん、過ぎたるは及ばざるが如しで・・・朔太郎のこの行動、現在であればストーカー扱いされる可能性大。

だが・・・男と女(異性間だけに限らないが)の情を描く小説、詩などは、人類が存在し続ける限り生み出されていくことだけは間違いない。
恋愛や恋愛感情、情感、情念・・・永遠の文学のテーマ。
少・青年期、男と女の機微をエッセイなどを読むことで学ばせていただいた吉行淳之介氏は言っておられる。

「失恋して泣いたことのないような人は信用できない」と。

ちなみに・・・その我が心の師、吉行氏は・・・男の気持ちを絹糸のように繊細、デリケートであると称し、女性のそれを大木の如くの逞しさと称されていたりするのだが・・・それはまた別のお話し(笑)
また、吉行氏とねむの木学園の宮城まりこ女史との関係・・・吉行氏をまりこさんが看取るに至る壮絶な関係もいつか語りたかったりするのだが・・・それもまた別のお話し(笑)


「夜汽車」の最期にあるオダマキ(苧環)の花・・・今回はネットで探したが、実際にこの目で観、撮ってみたいと思わせる花だ。



**この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです**

               ブログランキング・にほんブログ村へ  


スポンサーサイト
この記事のURL | 男と女の話し | CM(2) | TB(0) | ▲ top
<<春の光景を探しに(1) 近藤勇首塚 | メイン | 梅若の涙雨 >>
コメント
- 理屈で片付けられない人の心 -

別のお話しがたくさんあって・・・(笑)眠れない夜にはHaru.Seionさんをお借りしなくては・・・
とは言え、眠れない夜など私にはなくて(爆)
ロシア文学の作家の誰だったか?優しい母親にお話しを語ってもらうのが楽しみだったとか・・・?「息子にお話しよう」と言われても先に寝てるありさまです(泣)
話しがそれましたが。
「失恋して泣いたことのないような人は信用できない」とありますが・・・
恋を知らない人に理屈で片付けられない、「人の気持ち」がわかるのかなって思います。
萩原朔太郎のように恋は自分ではどうすることもできない人としての性を感じます。それが情熱となって創作意欲を駆り立てられたのでしょうね。
結婚もしているので恋だの・・・と言われそうですが
小学校の養護学級に勤めている時に子どもたちに「恋」していましたよ。
手に負えない子どもたち???
私にはどの子も胸が熱くなるくらいいとおしかったです。
これも別のお話しで・・・(笑)


2008/03/18 16:50  | URL | Lei Lei #-[ 編集] |  ▲ top

- Lei Leiさんへ -

ホント・・・何かについて書きはじめても・・・
どんどん関連話題にネットサーフしちゃいそうな・・・落ち着きの無い私です(汗)

私も寝つきはとても良い人でして・・・。
コーヒーは大好きですが、カフェインなんかでは寝入るのを押さえる事は出来ません。。。よく寝る奴です。
いまだに・・・休日など、昼過ぎまで爆睡し、目覚めて時間を知った瞬間、軽い自己嫌悪を感じます(笑)

結婚もしているので恋だの・・・などと言ったら・・・笑われますよ(笑)

養護学級に!勤めて!
Lei Lei先生!!!
恋するが如く愛してくれる先生・・・慕われていたでしょうね!
2008/03/18 22:21  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://hananosakuoto.blog52.fc2.com/tb.php/33-e329a5e6
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。