2017 06 ≪  07月 12345678910111213141516171819202122232425262728293031  ≫ 2017 08
スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
A Short Story ~ 梅園にて 
- 2008/03/12(Wed) -

                    016-1.jpg

               A Short Story ~ 梅園にて 

                  Vol.3  夜梅の香り
ここ数日の温かさで、ほぼ満開になった梅園に立ち寄ってみた。
仕事が終わってから彼女と待ち合わせて、広い梅園の一部がライトアップされている夜の梅を観にきた。
この梅園がライトアップしていることを知って以来、毎年私たちは夜の梅を実に来ている。
今年は2月になっても雪がちらつくことが多かったが、さすがに3月になって日中の気温はグッと上がってきた。
が、日没後の風には、まだ冬の名残の冷たい空気が感じられた。


「夜なのに結構人が来てるね」

確かに彼女の言う通り梅の開花に春の訪れを感じたいがためか、多くの人がライトアップの照明に浮かび上がった梅を観に来ている。
背景の空があっという間に暗くなっていき、ライトに照らされた梅の花が一層際立ってくる。行き交う人達も皆、そんな黒背景に浮かび上がる梅を観にきているのだろう。
さすがに夜ともなれば、昼間は家族連れやお年寄りで賑わうこの梅園もカップルの比率が高くなるように見受けられる。
手を繋いだり、腕を組んだりして体を密着させているカップルが多いのは、早春の夜風のせいばかりではなく、夜桜とはまた違った夜の梅の醸し出す雰囲気のせいかもしれない。


               016-2.jpg

              
組んだ腕を一層私の体にくっつけるようにして歩きながら彼女が言った。

「ねぇ・・・。つき合い出した頃に、こうやって夜梅を観ている時に・・・『ちょっと年をとったせいか、満開でいかにも咲き誇っているって感じの染井吉野より、まだ夜は寒いから夜桜ほど人が観に来ない梅や、染井吉野より花が小さい薄墨桜とかの方が艶っぽい感じがして好きになってきた』って言ったよね。覚えてる?」

「うん。。。数年経ってますますそう思うようになってきてるけど?」

「その時に・・・『モミジもそう。秋の紅葉は綺麗だから、たくさんの人が観におし掛けるけど、陽の光が透けそうな新緑の若葉のモミジも好きになってきた』とも言ってたよね」

「うん。。。言ったけど・・・それがどうしたの?」

「そうやって聞いたときにね・・・私・・・“そんなもんかなぁ~”くらいにしか思えなかったの。だって、満開の染井吉野も紅葉も綺麗だし・・・。って思ってたのね。でも・・・今は違うの。違ってきたの。ポンポンに膨れるように咲いた満開の染井吉野より、梅や枝垂れ桜の方が清楚でもあり、色気があるように感じるようになってきたし・・・モミジだって、あなたにと一緒に太陽の光が透けるような若葉のモミジを観に行くようになって、新緑のモミジ狩りもいいな。。。って思えるようになってきたのね」

「おっ!わかってきたね!大人の鑑賞眼が身についてきた!」

「わかってきたっていうか・・・共通体験って、やっぱり大切だな・・・と思う」

「だね。同じものを観て“綺麗だね”って言い合う”。同じものを食べて“美味しいね”って言い合う。その積み重ねが大切ってこと・・・だよ・・・ね」

「うん。昔何かの本で読んだんだけど・・・確かジュディー・ガーランドの言葉だったと思うんだけど・・・“愛する二人にとって大切な事は見つめ合うことではなくて、一緒に同じ方向を見つめ続けていられるかってこと”って言葉を読んだのね。。。なんとなくその言葉が実感として感じられるような気がしたわけ」

「いい言葉だ。それ、俺たち二人の座右の銘にする?」

などと言って笑いながらライトアップされた梅を眺めながらあるいていると・・・
彼女が あっ と声を発し、ちょっと急いだように言った。


「確かにいい言葉だけど・・・ジュディー・ガーランドの言葉を座右の銘にするのはまずいかも・・・。あの人って、SEXに関してとっても奔放で、レズビアンでもあったし、バイセクシャルだったんだってよ~」

「すごい!あの時代にバイだったなんて~」

「何人目かの旦那さんに何か特別なSEXを要求して・・・それに旦那さんが驚いちゃったことが離婚原因になった・・・って逸話のあるくらいの人だから」

「何?何?な~に?何か特別なSEXってな~に???」

「もぉ。。。そういう話しには食いつき早いんだからぁ。。。でも、それだけ様々な経験と様々な愛を経験してきた人だから、かえって言葉に深みがあるのかもね」

なんて・・・セクシャルな会話になってしまうのも、夜の梅の醸し出す艶っぽさのせいだろうか???
などと言ったら梅に失礼か?(笑)



そうそう、夜の梅に関してはこんな話しがある。
昼間より夜の方が、梅は咲いた花からの香り、芳香を強く放っているってこと。
何故なら、桜に較べて早く開花する梅。
まだ蜂や蝶のように受粉を助けてくれる昆虫も少ない。夜ともなれば一層受粉を助ける者は少なくなる。
だから・・・夜は昼間より花の香りを強く放つ。まるで誘うかのように・・・。

それはさて置き、梅も満開。
私の大好きな新緑の季節に向かって、春が加速してきた今日この頃。


               016-3.jpg


ちなみに梅の花が昼間より夜強く香りを放つ・・・って話しは、この文章を書きながら思いついた私の思いつきフィクションですので信じないでください。
“なるほど~”と思われた・・・そう、あなた! 作り話しですから!あしからず。。。(笑)




**この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです**

               ブログランキング・にほんブログ村へ  

スポンサーサイト
この記事のURL | Short Story | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<梅若の涙雨 | メイン | '08春の音ゲット!Swing Out Sister 新作到着!>>
コメント

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://hananosakuoto.blog52.fc2.com/tb.php/31-0ef604f4
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。