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丸裸の恋心を綴った文の数々・・・
- 2008/08/10(Sun) -
                    
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             『世紀のラブレター』 梯 久美子 著
     “・・・・・ マコがおひるに泣いた様に僕も少し泣きました。・・・・・”
 
           “・・・・・ しめ殺す程抱きしめたい ・・・・・”

 石原裕次郎が後に夫人となるまき子夫人と喧嘩した時に、彼女に書き送った手紙にお中の言葉だ。
 この手紙が本に紹介されて、たくさんの人が読んでいることを知ったら・・・裕次郎さん、照れるだろうなぁ。。。と、思わざるを得ないような甘く赤裸々な恋心が綴られている。。。

 各界の著名人のラブレター(と言うより、恋文と言った方が良いものが多い)を読み解き、様々な愛の形、恋する人達の内面を垣間見せてくれる一冊だ。

 著者は語る。。。

 「・・・・・ 男性のラブレターの多くが、その人の一般的なイメージとは違う意外な顔をのぞかせているのに対し、女性のラブレターは、生き方、暮らし方がそのままあらわれた、いかにもその人らしい文面なのが面白い。 ・・・」

 確かにそうかもしれない。 冒頭に記した石原裕次郎の甘えているような謝罪の手紙にしても、川端康成の妻に対して駄々っ子が拗ねているかのような手紙といい・・・概して男の方が気を許した女性に対して甘えているような感じがする・・・かな。
 男の文章の方がロマンチックだと言えなくもないが・・・やはり、愛する女性に対しては、日頃の虚勢などかなぐり捨てて・・・素顔で・・・本音で・・・語りかけるからこそ、その人の一般的なイメージとは違った雰囲気の文章となると言った方が正しいと思われる。


 そうかと思えば、強烈な女性の文も紹介されている。
 美貌の歌人、柳原白蓮。まだ九州の夫の家にいた彼女が、東京にいる年下の恋人に書き送った文。。。

 “・・・・・ どうぞ私の魂をしつかり抱いていて下さいよ。あなた決して他の女の唇には手もふれては下さるなよ。女の肉を思つては下さるなよ。あなたはしつかりと私の魂を抱いていて下さるのよ。きつとよ。少しの間もおろそかな考へを持つて下さるなよ。 ・・・・・ 覚悟していらつしゃいまし。こんな恐ろしい女、もいいや。いやですか。いやならいやと早く仰い。さあどうです。お返事は?”

  と、なかなかに強烈な文を書き送る女性もいる。

 
 妻へのラブレター・・・こんな逸話もこの本ではじめて知った。。。
 その人は、1年の多くを旅先で過ごす。その旅先から毎日、自宅の妻に宛てて葉書を出すのを習慣としていた。その妻が6年前に亡くなった。。。妻の死後もその習慣はずっと続けられている。。。妻宛に出した葉書を受け取るのは自分自身だ・・・。いわば・・・天国の妻へのラブレター。。。
 そうやって、妻へのラブレターを書き続けている人は・・・永六輔さんだ。。。

 一方・・・残すことになる妻への 最後のラブレター として紹介された文もある。
 女優の沢村貞子さんに対する夫、大橋恭彦さんの気持ちをしたためた文章。

 二人が出会った時・・・沢村さんには別居中の夫がいて、大橋さんは中学生の娘がいる既婚者・・・。
 恋に落ちた二人は駆け落ちして二人で住み出したが・・・大橋さんの離婚が成立し、二人が結婚出来たのは、それから22年後のことだった。。。
 献身的に尽くしてくれた貞子さんを残して逝くことになる大橋さんの心情が痛切に伝わってくるような文・・・

 “・・・・・ わたしに、こんな楽しい老後があるとは思っていなかった。あなたにめぐり遭えたということを、そして二人で寄り添って生きてきたこと、いろいろな苦労があったけれど、わたしは幸せだった。あなたも幸せだった、とおもう。この先、どんなにいたわり合って生きても十年がせいぜいだとおもう。「どちらが先になるかわからないけれど、先立った者が待っていて、来世も一緒に暮らしましょ、来世もこうしておしゃべりをして、おいしいものを食べて、楽しく暮らしましょ」  (中略) 正直いって、ある晩なんのきっかけもなく、「来世も一緒にくらしましょうよ、ね」と話しかけられて私は絶句してしまった。そして年甲斐もなく泣き出しそうになるのを、じっとこらえた ・・・・・”

 大橋さんの死後に見つかった「別れの言葉」と題された文章の一部だ。。。
 大橋さんの死から2年後・・・沢村さんも約束通り待っているだろう大橋さんを追うように逝った。
 沢村さんの遺言で、遺骨は大橋さんの遺骨と共に相模灘に流された・・・。

 とにかく・・・時に クスッ と笑ってしまったりもするが、心温まるような気持ちになるね。 恋しい人に宛てた文章って!
 そして、素直に相手を想う気持ちって、その人に伝え続けなきゃいけないな・・・と思わせられる本だ。
 著者の梯さん・・・硫黄島の栗林中将を描いた「散るぞ悲しき」でも、栗林中将が家族に宛てた心細やかな手紙を栗林中将の内心を描き出すのに上手く使っていたが・・・読む者の心を共振させることの出来る素晴らしい書き手だと思う。

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