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A Short Story ~秋めいてきた西に遊ぶ~(前編)
- 2010/09/27(Mon) -
                         (Please click this photograph)
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                          木津川の流れる光景を眺める
 西へと向った。 車の少ない深夜に快適に走り、明け方前に彼女の部屋に着いた。 朝、彼女と出掛ける前に少し仮眠することにした。

 朝・・・彼女に起こしてもらった。 仮眠しただけだが・・・一旦眠って彼女に起こしてもらい、一緒に部屋から出掛ける・・・こういう感覚ってちょっといいな・・・そう感じたりもした。

 まず向ったのは、京都と奈良の境にある木津川市の古民家を使ったお店だ。


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 柿渋色の暖簾が印象的なこのお店・・・国道から外れた静かな農村って感じの郷中にあり、お店のまん前は稲刈り間近の田んぼだ。 暖簾をくぐると、竹箒で庭を掃除していたお店の女性が “いらっしゃいっませ” と出迎えてくれた。


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 室内は古民家に必要以上に手を入れないようにお店として使っているという感じで・・・過剰な演出的な改装などしていないことがかえってここを訪れる人々を落ち着かせるのではないか・・・そう思われた。


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 近く農家から毎日仕入れる旬の食材を使ったランチをお願いした。 落ち着いた空間の中で、落ち着いた心持ちでゆったりと会話を交しながらの昼食となった。 十分にお腹は膨れたのだが・・・和食はお腹に優しい。 胸焼けするような膨満感はない。


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 ゆったり気分で昼食をとり・・・お店から少しを離れた駐車場に停めた車に向った。 なんとなく農村の中を散歩しているような・・・そんな感じにもなった。 いくら店自体は古民家風であっても店を一歩出れば車が絶え間なく行き交うような場所にある店より・・・ここのように古民家風な店の佇まいが周囲の光景に溶け込んでいるようなお店が好ましく思う。。。 

 彼女も私も古民家な雰囲気のお店が好きだ。。。  二人で出掛ける時・・・そんなお店に立ち寄ることもすでに 「二人の共通の楽しみ」 のひとつとなってきている。 今回も二人で一緒に心落ち着く空間と美味しい食事・・・その両方を楽しむことが出来た。


 そして・・・木津川をずっと右手に眺めながら東へと車を走らせた。 今回この木津川沿いにやってきたのは・・・以前記事(- 2010/09/17(Fri) - 「白洲正子さんの好んだ京都を読む」)で紹介した本の中の白洲正子さんが愛した京都の地の中にこの木津川沿いも含まれており、そこに行きたいと言った私に彼女も賛同してくれたからだ。


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 木津川から一旦離れ、対向車が来ないことを祈るような気持にもなる細くてくねくねした道を登り、笠置山全体を寺域とする笠置寺へ。。。 山門脇に何気なく置かれた季節の花が私たちを出迎えてくれた。

 この寺は、もともと2000年もの前からの巨岩信仰の地に建てられた古刹で、大きな岩に彫られた(磨崖仏)巨大な弥勒仏を本尊としている。 
 またこの寺は、鎌倉幕府の打倒を企てた後醍醐天皇がこの山に篭り、挙兵した元弘の乱の舞台でも知られ・・・幕府方に攻められて寺は燃え上がり・・・その炎によって本尊の弥勒仏は後背のみを残して剥離してその姿を消してしまった。。。


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 これがその後背のみが残る弥勒仏だ。 もし岩に刻まれた弥勒仏がそのまま残っていれば・・・後背のみ残る岩を見上げながら・・・そう思った。

 このお寺に来たら、寺域である笠置山の中にある様々な岩を眺めながらの巨岩めぐりをしたいと思っていた。 彼女もヒールから用意してきたスニーカーに履き替え・・・いざ、山道を通っての巨岩めぐりへ。


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 この笠置山には本当に巨岩、奇岩が多く在る。 歩きながら彼女と “岩の上に岩が乗っているのは自然が作った造形なのか?それとも誰かが何かの目的を持って岩を組み上げたのか?” などと話し合いながら山道を歩いた。

 彼女は、私と一緒に山歩きすることも想定して 山ガール になろうと考えており、その彼女を応援するために山スカートなどをプレゼントもしたが・・・山道を歩く彼女の息づかいが激しくなっているのに気付き・・・

“山ガール目指しているのにダメじゃん。。。息があがってるし~”


そう私がからかえば・・・彼女も負けてない・・・

“あなただって ハァハァ 言ってるし~”

そんなやり取りをしながらも、時には彼女の手をとって体を引き上げながら笠置山の様々な岩を巡っていった。 白洲正子さんが愛したこの地、この道、正子さんはこの笠置山の道を 「るいるいと重なる自然石の造形」 と表現している。


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 上の写真のようなこんな岩の間をすり抜けていくような場所もある。。。 “太っていたら通れないよね~” とか “お互いにスマートで良かったね~(ホントか~?)” などと笑って話しながらも歩いてゆく。


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 本尊の弥勒仏と共に岩に彫られた曼荼羅なども戦火で失われた中・・・唯一残った磨崖仏・・・虚空菩薩像だ。 思いっきり仰ぎ見てしまう12mという大きなお姿の仏様だ。


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 彫られたのは平城京の頃とも平安京の頃ともいわれているが・・・どちらにしてもはるか時空を越えて現在のこの時代にに生きる私にも・・・その穏やかで優しげなお顔で接してくださる。 太古からの巨岩信仰とその後日本に根を下ろした仏教への信仰が結びついた姿だ。。。


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 白洲正子さんが述べた自然石の造形の中に・・・人々の信仰を感じることのできる石仏もそこかしこに。。。


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 山の中に静かに佇むお地蔵様・・・穏やかながら凛とした雰囲気を漂わせていらっしゃる。。。


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 笠置山を巡る楽しみは巨岩だけではない。 ところどころで開ける眺望・・・これもまた目を楽しませてくれる。 山の森の中を歩いていても聴こえてくる山の麓を流れる笠置川の流れ・・・山から眺め観れば、山を縫って流れるような川の姿がよく見える。


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 自分たちが走ってきた道が、渡ってきた橋が・・・眼下に広がる。 そんな眺望を眺めながら小休止したりする。


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 寺域である笠置山に咲く花・・・時折降る小雨に濡れて紫色が艶めいて輝く。。。


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 真紅な色合いが気に入って彼女がお寺の無人販売で買い入れた唐辛子と雨に濡れてその赤に深みを増したようにも思われる彼岸花の 真紅の競演 だ。。。


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 笠置山の中に埋もれるかのように在る笠置寺・・・磨崖仏や巨岩、奇岩を巡り歩いた。 その間、他の参拝者には一人として会わなかった。。。 白洲正子さんも好んで歩いたこの山の山道を彼女と二人だけの貸切で歩いた・・・そんな時を過ごせた。


 笠置山でゆっくりし過ぎて、時間はすでに5時を過ぎていた。 実はもうひとつ訪れたいお寺が。。。 ダメもとでそのお寺にも向ってみた。。。


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 幸いにもそのお寺の境内を歩く事は出来た。
 海住山寺・・・かつて恭仁京があったみかの原を見下ろす海住山中腹に位置するお寺で、天平期に創建されたといわれる古刹だ。 小さく、どこか女性的な感じを受ける朱塗りの五重塔。 国宝に指定されている五重塔の中では室生寺の五重塔の次いで二番目に小さいものだ。


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 このお寺には、達磨さんのおみくじがあり、そのおみくじを結ぶ架台も五重塔を模していて面白いなと思った。


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 達磨さんに混じって可愛いネズミさんも。。。


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 境内に 「願いを叶えるなすのこしかけ」 と銘打たれた茄子の形をしたベンチが置かれていた。。。


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 上の写真のように説明書きがあった。 「二人でお座りになり深く縁を結び」 という説明に従って二人で座ってみることに・・・。 二人で座る前に一人で座った彼女の姿を数枚撮った。 その間座り続けていた彼女の横に私が座ろうとすると・・・


“ずっと座っているとお尻が冷たくなってきちゃったぁ~”


と、彼女。 私も茄子の上に腰掛けながら・・・

“だって、二人で座ると縁が深く結ばれるんだよ~”


そう私が言えば、彼女、浮かしかけた腰を慌てて下ろして茄子に座りながら

“じゃぁ座っておかなきゃ!”

と、現金な彼女(笑) はてさて・・・「願いを叶えるなすのこしかけ」のご利益はあるかな・・・?(笑)


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 このお寺にも先人たちの信仰心の篤さがしのばれる・・・素朴で小さな石仏が観られた。。。

 このお寺の本尊の十一面観音像は白洲正子さんが 「私の心に残る観音様」 のひとつに上げた観音像だ。 残念ながら時間的にその観音様にはお会いできなかったが・・・正子さんが足を運んだお寺の境内をしばし散策できた。


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 ふと気付けば・・・夕暮れが近づいていた。 ずいぶんと日没が早くなったなぁ・・・と実感した。 白洲正子さんが愛して好んで歩いた木津川沿いの道、山の中のお寺の雰囲気の一端に触れることが出来たような・・・そんな心持ちで暮れなずむ木津川を後にした。。。

 彼女の家に戻る途中・・・ちょっと変わったカフェを探しておいたので立ち寄ることに。 山寺を歩き “体が冷えちゃった” と言う彼女。 冷えた体を温めるために温かい飲み物を飲むにもちょうど良かった。


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 そのお店は・・・駐車場から階段を上がっていくアプローチが クリスマスが近いの? と思われるようにイルミが綺麗に輝いていて。。。 その キラキラ☆ にも少し驚いたのだが・・・店内に入ればもっと驚きが・・・。


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 なんと・・・店内は花や可愛い小物が一杯で。。。 この店内に飾られた多くの花・・・オーナーのご婦人にお聞きすれば、オーナーさんがフラワーアレンジメントを教えていらっしゃるそうで、ほとんどの花はご自分で作られて飾りつけされたとのこと。。。


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 花に埋もれるかのようなテーブルで温かい飲み物と焼きたてピザを頬張った。。。

 この花一杯の店でピザをいただき、お腹の下ごしらえをしたが・・・ここでガッツリ食べてはいけないのだ。 前々から彼女と話していて、今度彼女の家に行った時には彼女が用意したおつまみを食しながらゆっくりと家飲みしようということになっていたのだ。 だから・・・しっかり食事をしてしまうわけにはいかないってわけだ。 彼女と私の間では 「居酒屋ごっこ」 と呼ばれていたその試みのために・・・花一杯の店を出た後、 居酒屋の「女将さん」である彼女に付き従って食材の買出しに。 私は「女将さん」の忠実な荷物持ちになった。(笑)

 彼女が「女将さん」としてセットしてくれた居酒屋は・・・まずはワインからスタートだ。


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 飲んで酔った彼女・・・いや、この居酒屋の女将さんは、話していてもとても面白い。 そのうちにワインを飲ませてくれなくなる。。。 前々から酔うと 脚絡め上戸 な彼女ではあるが・・・この夜は脚だけではなく軟体動物とかと思われるような体グニャグニャの 体絡め上戸 と化し・・・なかなかワインにも手を伸ばせない状態に・・・。(笑)

 そして・・・二次会(笑)もちゃんとセットされており・・・ワインから日本酒にお酒を変えて・・・女将さんになった彼女の部屋の居酒屋は深夜遅くまで私だけの貸切で二人の飲み会は続いた・・・。 翌朝思いっきりゆっくり起きればいいという気楽さから二人ともしたたかに酔っての夜更かしな一夜となった。。。


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