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A Short Story ~晩夏・西の地を歩きながら・・・。(後編)
- 2010/09/01(Wed) -
                         (Please click this photograph)
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                             平等院・鳳凰堂の鳳凰
(前日の記事よりつづく・・・)


 翌日、二人が目覚めたのはもう陽がかなり高く昇ってからのことだ。 前夜は・・・一方が眠ればもう一方が起こし、反対にもう一方が眠ってしまえばすでに目が冴えた一方が起こし返す・・・そんなことを繰り返しながら・・・二人ともいつ眠ったのかもわからないような状態で・・・。

 私より早く活動を開始した彼女は、私のリクエストのフレンチトーストを作りはじめた。。。 しばらくして良い香りが漂い出し、鼻腔がその香りを探知して空腹を刺激しだした頃・・・

“あーーー!焦げた!焦げたぁ~!”

と、彼女の叫び声がキッチンで。。。 その焦げたフレンチトーストがどうなったのか・・・? それはまた別のお話し?(笑) 少なくとも私が食したフレンチトーストはなかなか美味しかった・・・と記しておこう。(笑)


 この日は・・・宇治に出掛けることにしていた。 私がまだ一度も行ったことのない平等院に行ってみたかったから。。。

 宇治に向う途中・・・これまた事前に調べておいた古民家なお店でランチをすることに。 二人とも古民家なお店が好きだってことが共通しているので、こういう場合のお店選びはきわめて楽で。 食事するお店の雰囲気の好みが似通っているってこと・・・存外大切な事だって気がすると・・・実は私はそう思っている。


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 「えん」というそのお店・・・品の良いおっとりしたご婦人二人の姉妹で営んでいらっしゃるお店で・・・お姉さんに伺えば・・・築200年ほどの商家を改装して営業していらっしゃるとのこと。。。 店の外の道路にはかなり車の往来があるにもかかわらず、通された室内に入るととても静かだ。


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 日本家屋特有の陽の入らない構造。。。 8月も末だというのに強烈な陽射しを浴びて、中庭の木々の緑が萌えるように輝く。。。 その緑越しに見えるどっしりと蔵が・・・かつてこの商家が富んでいたことをうかがわせる。


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 店内には着物をリユースした洋服とか様々なアクセサリーなどが置いてある。 普段 あまり帽子って似合わない と言っている彼女が・・・手編みの帽子に興味を示し、次から次へと帽子をかぶっては帽子のファッションショーをはじめた。 その様子をニコニコと見やりながらお店のお姉さんご婦人 “いろんなものがあるでしょ?みんな手造りのものなんですよ。どうぞ触って遊んでいってくださいね” と・・・あくまでおっとり穏やかに。 様々な帽子をかぶってはポーズして遊んでいる彼女を見やるお姉さんご婦人の優しげな表情は・・・孫、とは言えまいが(笑)・・・娘を見るようなとてもまぁるい雰囲気の表情で。。。 このお姉さんご婦人の “遊んでいってください” という言葉と穏やかで優しげな表情で・・・このお店がすっかり気に入ってしまった。 ふと気付けば・・・私もずいぶんくつろいでいて、板の間に足を伸ばし、後ろ手に両手で体重を支えるという、きわめておくつろぎな姿勢となっていた。 お客をこういうくつろいだ雰囲気にさせるお店って・・・その落ち着いた古民家な建物の佇まいと相俟って・・・素晴らしいと思う。


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 妹さんご夫人(こちらの方が主に調理担当かな?)が料理を運んできてくれた。 前日の「まだま村」に引き続き・・・この日のランチも野菜中心のヘルシーなものとなった。 彼女、苦手な椎茸を私の “一口食べてみなよ” の言葉で一噛みし、これまでに見せたこともないようななんとも複雑怪奇で奇妙な表情をしたかと思うと・・・ほいッ とばかりに私の小鉢に椎茸を入れた。 もぉーーーーーたいない。 出汁の味が染み込み、口に入れて噛めば、その出汁がジュワ~っと口の中に溢れ出す・・・こんな美味しいモノを。。。 ほとんど ごっちゃんです! ってなもんだ。(笑)


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 お二人の姉妹ご夫人のゆるやかでおっとりとした雰囲気がくつろげる雰囲気にさせてくれ、静かに貸切状態で美味しく食事をさせていただいた。。。

 すっかりゆったり気分にひたりながらお腹を満たし・・・いざ、平等院へ! なにが いざ なのかといえば・・・とにかくこの日は暑かった。 陽射しはほとんど殺人光線かと思えるほどで。。。 髪を伝わって襟足から流れ落ちるような私の汗を・・・彼女が何度拭いてくれたことか・・・。 とにかく暑かった。。。


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 まだ真夏を感じさせる雲を背景にした鳳凰・・・思わず見惚れる姿だ。 平等院には初めてやってきた。 まるで殺人光線かと思われるような強烈な陽射しの中・・・日陰を伝い歩くように平等院の境内を歩いた。


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“平等院のこの敷地には、もともとは光源氏のモデルとも言われる源融の別荘があったんだよ。だから、その時代にはここではかなり艶めいた淫靡なこともあったかもしれないんだよね。かといって、平等院の境内で不埒な事はしてはなりませぬぞ”

そう私が言えば

“なに言ってんだよー。当たり前だしー”

と彼女。 そうです。 当たり前です。 この地に在った藤原道長の別荘である宇治殿を道長の息子である藤原頼通が寺院にしたのが現在の平等院のはじまりであり・・・当然ながら寺院の境内で不埒なことなどしてはなりませぬ。(笑)


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 幼き頃・・・何枚かの10円硬貨を手に握り締めて駄菓子屋に通っていた頃からその硬貨に刻まれたお馴染みの建物・・・鳳凰堂を初めて我が目で見た。 思わず財布から10円硬貨を出して・・・目の前にある鳳凰堂と見比べた。
 
 ちなみに・・・一応、この鳳凰堂がデザインされた面が10円硬貨の表だとされているって知ってた? もう一つちなみに・・・一万円札の裏面の鳳凰って、この鳳凰堂の鳳凰だって知ってた? と、なんでだか10円硬貨と一万円札と・・・平等院の鳳凰堂はお金に縁がある。。。 参拝すれば、金運のご利益が・・・ある?(笑)


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 鳳凰堂をグルリと回りながら・・・写真を撮りつつ歩いた。 ふと、若い女性に “すいません” と声を掛けられた。 何かと思えば、その女性が私の足元を指差しながら “10円玉が落ちましたよ” と教えてくれた。 汗を拭くためにズボンのポケットからハンカチを取り出した時、さきほど実物の鳳凰堂と見比べるべく財布から出した10円玉がハンカチと一緒に飛び出して落ちてしまったのだ・・・。 嗚呼。。。これで私の金運は堕ちたか・・・。(笑)


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 平等院で見た花・・・鳳凰堂の正面向って左手の大きな百日紅の木・・・桃色の花が鳳凰堂の夏の光景を彩る印象的な花のように思われた。。。


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 また、境内の浄土院前の睡蓮鉢に愛らしい黄色い睡蓮が咲いていた。 「姫睡蓮」・・・その名に違わぬ可愛らしい睡蓮だ。 思わず彼女と二人で腰をかがめて鉢の中のこの睡蓮に見入った。。。


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 とても暑い拝観となり、そうそうアクティブに見て回れなかったが、鳳凰堂の雰囲気ある眺めを楽しみながら二人でゆっくりと境内を歩いた。 暑い中・・・若い庭師さんが木々に水をやっていた。 その水の飛沫が強い陽光を浴びて輝く様は一服の清涼感を感じさせてくれるようだった。。。


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 平等院での暑気を静めるべく・・・車でほど近いお店へ。 もともとは宇治茶を扱うお茶屋さんである「中村藤吉本店」へ。。。 宇治方面のお店を調べている時に気になったお店で、お茶休憩でもと思っていたのだが・・・昼食を食した「えん」のご婦人と話している時に、これから平等院に行くと言うと・・・ご婦人からもこの店の名が出たくらいだから行ってみようと意を深めたってわけだ。


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 暖簾をくぐってお店に入れば香ばしいお茶の香りが・・・水撒きされている中庭辺りに喫茶を待つお客さんが多数。。。 彼女と縁台に座ってお店の団扇を扇ぎながら・・・話しながら待った。 彼女の・・・同じ縁台に座った若いカップルの 「関係推論」 など、彼女の鋭い観察眼に基づくなかなか興味深い話しもあったりして、話しながら待っていればそう飽くこともなかった。


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 私は、抹茶と黒蜜のかき氷を・・・彼女は、小豆の小さなかき氷とお茶のセットを。。。 エアコンなど入っていない店内だが・・・美味しいかき氷で十分に体はクールダウンできた。


 宇治を後にして・・・夕暮れ時には彼女の住まう町に戻った。 

 夕食は、これまた彼女の妹さん情報でちょっとお洒落で美味しいというお店へ。 おそらく少し前まではスナックだったのではないかという感じのするカウンターとテーブル席のある内装もまだ綺麗なお店だ。 ちょっと友近はいってるママさんの作る料理は美味しい!

 “○○○ちゃん(彼女の妹さん)に、いい店教えてくれてありがとうって言っておいてよ。料理は美味しいし、色っぽいママさんに惚れそうだし~”


そう私が言えば・・・彼女、

“ママさんはあなたの好みじゃないと思うな~”

と、まったく動ずる様子なし。 しからば・・・と、

“よーくご存知で。。。 じゃぁ、ママさんじゃない若い女の子の方に惚れそうだし~”

と、そう矛先をかえてみれば・・・

“違うな。あなたの好みじゃないと思う。”

これまた彼女、まったく動ずる様子なく。。。

“ホントに俺の好みをよーくご存知で~ あっ、いた。いた。目の前に好みの女性が!”

テーブル席の対面に座る彼女を指差しながら・・・そう言ってみた。 すると彼女、即座に

“嘘ばっかし!”

と。。。 どうも冗談に交えて時折投げかけてみる私の本音は信用されず・・・。(笑)


 話しながら美味しい料理を食していると・・・

“ねぇ。。。足を伸ばして”

彼女がそう言う。 伸ばしながらテーブルの下を見やれば・・・彼女の足は真っ直ぐに伸ばされている。 カウンターではないから私の膝に脚を乗せられない代わりに・・・伸ばした自分の足を私の足で挟み込むように・・・そういうお達しだ。 どうも・・・彼女、少しお酒が入ると足をからめたくなる 「足からめ上戸」 らしい。。。(笑)



 充実した二日間だった。。。 楽しい二日間だった。。。 その代償は・・・時間があまりに早く過ぎてしまったと感じられること・・・か。。。
 深夜に帰っていくまで・・・二人で様々な話しをした。 もうしばらくすれば私は帰るべく、東へと車を走らせる。 そのことを思ってか、部屋に戻ってからの彼女の表情は曇りがちだ。。。 きっと私の私の表情もそうだったと思う。。。 それでも二人で話し続けた。 どれだけ話しても、話し足るわけはないことはわかってはいた。 だが、彼女の目を見て 「今」 伝えるべき言葉は伝えられた・・・と思う。


 玄関先で彼女は部屋を出て行く私を見送ってくれた。 彼女は・・・バスタオルを体に巻いたままの姿で、露わになっている左肩を壁に押し付けるようにして私の姿を見ていた。 私は・・・靴を履き、ドアを開けて体をドアの外に出し、まだ締め切っていないドアの隙間からそんな彼女の姿を見つめた。 彼女の表情が見る間に崩れ・・・こらえてはいるが嗚咽が漏れ出した。。。 もう一度玄関に入り・・・彼女の頬に肩に触れる。。。 その手の上に彼女の手が重ねられた。。。 “また会えるんだから!” そう彼女に伝え、彼女の表情を見つめながら今度は玄関のドアを閉め・・・エレベータの方に歩み出した。 
 強烈に後ろ髪を引かれた・・・。 玄関のドアを閉めた途端に、彼女のそれまでの嗚咽が・・・堰を切ったように泣きじゃくる泣き声に変わったのが耳に届いていた。。。 エレベーターに向う間に何度足が止りかけたか・・・。


 真夜中の名神・・・京都南を通過する頃にようやく気持ちが落ち着いてきた。 電話してみれば、鼻声ながらも彼女の声もずいぶんと落ち着きつつあるようだった。。。 そう遠くないうちに、きっとまたこの高速の反対車線を西に向って走ることになるだろう・・・そう思いつつアクセルを踏み込みながらウィンカーを出し、右側の車線に車を滑り込ませた。。。


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 例によって・・・この 「晩夏・西の地を歩きながら・・・。」 も・・・あくまで 「A Short Story」 であり・・・この話しの全てが真実かは・・・???・・・だったりして。。。(笑)



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コメント
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お帰りなさい♪ 
関西に来られてたのですね(^-^)
↓の記事のまだま村 行った事ありますよ~(*^-^)b
箕面の滝も懐かしいです~(*^ω^*)v⌒*:゚・☆

寺院が池に写りこむ写真や
鳳凰と木々が水の飛沫で輝く写真がすごく素敵です♪

休暇をめいっぱい満喫されて来られたようで
何よりです♪ お疲れさまでした☆ 

2010/09/03 09:51  | URL | りん♪ #1QanCJFs[ 編集] |  ▲ top

- りん♪さんへ -

おぉ。。。
りん♪さんもまだま村にも箕面の滝にも行ったことがありましたか~!
まだま村・・・独特の空間ですよね。

平等院の鳳凰堂は様々な角度から撮りたくなる建物だと感じました。

西での滞在・・・楽しんできました。(⌒_⌒)
2010/09/03 13:03  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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