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A Short Story ~晩夏・西の地を歩きながら・・・。(前編)
- 2010/08/31(Tue) -
                         (Please click this photograph)
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                          渓流の水の流れに・・・涼む

 木曜の夜、西へ向った。 仕事の関係で木曜の夜に向えるか、金曜の朝に少し仕事してから向うか・・・木曜の仕事次第というところがあり、木曜夕方まで決めかねていた。
 そんな中、水曜日に西に住まう彼女と電話で話している時、すっかり木曜の夜に私が西に向うものだと思い込んでいた彼女に

 “一応金曜日の朝、仕事の様子を見てから出て、お昼頃にそちらに着くように行こうと思ってるよ”


そう告げた。 木曜の仕事の様子次第でその日の夜にも出掛けることが出来るかもしれないが・・・それを伝えて彼女を落胆させたくはなかったから・・・一応そう伝えたのだ。
 だが、前々から日にちを合わせていたこともあり、私の到着が金曜の昼ごろになるということでちょっと落胆したようで

 “金曜日は空けていてくれると思い込んじゃやってて・・・”

 そう彼女が言うのもわからないでもなかった。。。 私としてもも早く出たい気持はやまやまだが・・・たまたま木曜に新たな仕事が立ち上がることもあり、その模様次第ということがあったのだ。 幸い木曜に話した彼女は、彼女なりに考えてくれたようで

“仕事のことで無理しちゃいけないもんね。なんでも無理したら長続きしないもんね”


と、私の仕事のことを慮ってくれた。

 そして木曜・・・。
 幸いにその日から着手した仕事は順調で・・・無理なく木曜の夜から西へ向えるという条件が整った。 “よし!今晩から行こう” そう決めたときに私の悪戯心がムクムクと。。。 彼女には金曜のお昼くらいに行くということにしておいて・・・木曜深夜に突然行って驚かそう・・・そういうサプライズな計画がそこから始まった。

 木曜の夜、彼女としばらく電話で話した時に

“今晩寝る前に電話で話ししながら乾杯しようよ” 

そう提案しておき、電話を切った後に西へと向った。

 深夜・・正確には午前零時を少し回って日付が金曜日になってすぐに彼女の住む町に着いた。 車を停めた駐車場からは彼女の部屋のベランダが見える。 そこで彼女に電話した。 電話に出た彼女に

“さぁ、寝る前に乾杯するよ。お酒持ってベランダに出てみなよ。月が綺麗だから、月を見ながら乾杯しようよ”

そう告げた。 月を見ようというのは・・・彼女をベランダに誘い出すための作戦だ。
 間もなく彼女の部屋のカーテンが開き、女性の人影がベランダに出た。 そこで “乾杯!” と電話で言い合い、私も彼女によく聞えるように氷結のプルトップを引いて  プシュッ と音を立てて開けた。 
 駐車場のネットフェンスにもたれて・・・ベランダにいる彼女のシルエットを眺めながら・・・飲みながらしばらく彼女と電話で話した。 そして・・・

“その部屋から前に俺が車を停めた駐車場が見えるだろ? そこで手を振っている変な奴がいるんじゃなーい?”

大きく手を降りながら、そう彼女に言った。 

“えっ?なに?なに?”

そう言った彼女、しばらくこちらを凝視した後に

“誰か手を振っているみたいだけど・・・なに?なに?”


と、どうも事態がつかめていないようで。。。

“誰かって・・・なんで俺が手を振っている人がいるのがわかるんだよ~!俺だって。俺。来たんだって!”

そう言っても彼女はまだ半信半疑のようで・・・。 仕方ないので、

“はい。手を上げた。はい。手を下ろした。ほら~俺だって!”

そう言いながら、電話で伝える言葉に合わせて手を上下させて(夜中の駐車場で何してんだか・・・笑)説明するに至って

“嘘!来たの?”

と。。。ようやく彼女に私が来た事が信じてもらえたようで・・・。 事態を理解してもらうまでに結構時間がかかったこと・・・。(笑)

 彼女の住む部屋に向うべく駐車場から歩き出し、彼女の部屋のあるフロアでエレベーターのドアが開くと・・・彼女の笑顔が出迎えてくれた。 パジャマ代わりに着ている短いワンピ姿という部屋の外に出るにはかなり刺激的な格好でエレベーターまで出迎えてくれていた。

 部屋に入って今回のサプライズを説明すると・・・それでもまだ彼女は私が目の前にいることがピンとこないようで・・・誰かが駐車場で手を振っているような人影は見えたけど・・・まさか私だとは思わずに、近くに住む妹さんと私が彼女をかつごうと企んで、実は駐車場で手を振っている人影は妹ではないかとも思ったなどと・・・わけのわからないことを言ったり、サプライズがあまりに見事に決まったと大喜びする私を見ては盛んに “くやしいー” だの “やられたー” を連発した。 おいおい・・・思っていたより早く来たのに・・・喜びの反応が薄すぎるじゃん!もっと喜んでくれよなーーー! と、そう思わないでもなかったが(笑)・・・とにかくそうしてサプライズ作戦大成功で私の西での滞在が始まった。

 その夜・・・乾杯した氷結に続いてワインを飲ながらの長い夜を過ごし・・・その結果、次の朝は予定していたよりずっとゆっくり起きた朝となった。 まぁ・・・目覚ましとかセットしたわけではなく、二人とも目が覚めるのに任せていたのだが・・・。

 その日は彼女の住まう町から北に向かい・・・山間を目指して車を走らせた。


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 着いたのは・・・こんな建物の在る場所だ。 縄文期の竪穴式住居を模して作られたこの建物・・・


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 その建物の前に立つ彼女の姿・・・どことなく縄文期の服にも見えなくもなく・・・私と彼女は彼女のその姿を 「縄文ガール」 と名付けて笑い合ったりした。


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 その建物は・・・縄文時代の竪穴式住居を再現した遺跡跡。。。 などではなく・・・れっきとしたカフェだ。 私も彼女も古民家的なカフェが好きで、ここは縄文期の住居を模した 古民家と呼ぶにも程がある級の超古民家(笑) 的なカフェだ。 今回、西に来るにあたり・・・面白そうなお店がないかと調べていて探しておいたお店だ。 この建物、実は20軒分の古い民家の古材を使って組まれており、店内は地面を1m掘り下げられている。 静かなヒーリング系の音楽が流されていて・・・とても落ち着いた雰囲気の空間だ。


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 囲炉裏端の席に通され・・・この店の名物の 「縄文ランチ」 をお願いした。 待つことしばし・・・野菜中心のオーガニックな料理が運ばれてきた。 


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 野菜中心のヘルシーな料理。 素材本来の味がしっかりわかる感じで・・・美味しい。 無花果の天麩羅なんてとっても美味しかった。。。


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 結構予約のお客さんが多く・・・お店の女性スタッフに “土日なんて予約しないとダメそうですね” と聞けば、女性スタッフ “ええ、そうなんですが・・・平日でも結構予約の方が多くて・・・” と。。。 後で知ったことだが、この「縄文ランチ」は1日20食限定メニューとのこと。 この日も少なくとも10人以上は予約のお客さんが入っていたと思われ・・・予約無しでやってきた私たちがこのランチを食すことが出来たのは相当に運がいいと言っても過言ではない。 とにかくラッキーだった。 それも・・・おそらく私の常日頃の行いが良いせい? そんなことを言ってみれば・・・彼女には即座に異議をとなえられたが・・・。(笑)

 このお店は 「まだま村」 という名のお店で・・・美味しく食事をいただいた後、オーナーさんに “まだまってどういう意味ですか?” と尋ねれば・・・“まだまというのは真の魂という意味なんですよ”と。。。 なんでもオーナーさんの歌(ソングなのか和歌とかなのかは・・・不明)のお師匠さんの言葉らしく・・・そのお師匠さんの歌(あるいは詩)を早口で諳んじて語るオーナーさん・・・話し始めたら止りそうもない雰囲気もあって。。。(笑) 「まだま」=「真魂」・・・良い言葉だと思った。


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 食後にお店の周囲にある木陰のベンチなどで少しのんびりとさせてもらった。


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 実はこの写真(↑)は、私のワンポイントレッスンで彼女が撮った写真だ。 一眼レフをはじめて触るわりには・・・なんだか雰囲気のある写真を撮ったな・・・と思う。 タバコ吸ってくつろぐ雰囲気を 拾って いると思う。。。


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 「念ずれば花ひらく」・・・そう刻まれた敷地内にある碑・・・なんとなく気になった。。。 花ひらけ・・・と念ずる気持ち。。。花が開くが如くに・・・と念ずる気持ち。。。 様々なことを想起させられる言葉だ・・・。

 のどかな山里の中にあるこのお店。 店の駐車場に車を入れる前に、山菜でも採ったのか篭を背負ったおばあちゃんがゆっくり歩く姿が見られたりするようなそんなのどかな山里の中にあっても・・・なんだかその山里よりも一層時間がゆっくりと流れているような独特な雰囲気のあるお店だった。。。


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 野菜中心の食事はお腹に優しい。。。 満腹なのに苦しくなるような膨満感はなくいい感じだ。 心地良くお腹が満たされたって感じで向ったのは箕面滝だ。

 実は、この滝に辿り着くにはかなり苦労した。 というのも・・・箕面公園横の道を車で走って滝の近くの駐車場に車を停めて滝まで歩いて行こうと思っていたのだが・・・滝に向う道が思いの他狭く、時には岩が道に迫り出していたりして・・・かなり走りにくい。。。 ましてやその道をハイキングしている人達からはなんだか冷ややかな視線が向けられているようで・・・

“なんか変じゃないか? 歩いている人達が俺たちを見る目が変じゃないか?”


そう私が言っても、彼女は

“そう?ただ見ているだけじゃないの?”


と、動ずる様子もなく、きわめて楽観的で。。。

 そのまま細い道を車で登っていくと・・・やがて道は行き止まりに。。。 仕方ないので苦労して登ってきた道を引き返して下まで降りれば・・・その細い道に入って行く所に 「一般車両の通行禁止」 の看板が・・・。(汗、汗、大汗) 私たちは、基本的に歩行者専用の道を走ってしまったわけで。。。 道理で道は狭いし、道行く人に怪訝そうな視線を投げかけられたわけだ・・・。
 その後当初予定した滝近くの駐車場に車を停めることができ、15分ほど歩いて箕面滝に辿り着いたというわけだ。。。


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 滝まで歩いて行くのにずいぶんと汗をかいた。。。 が、滝の水の落ちる音、滝壺から流れ出している渓流の水・・・涼しげだ。 渓流には幾人もの人が入っており、多くの人が靴を脱いで水の流れに足をひたして涼をとっている。 “俺たちもやろう!” と、彼女を誘って川まで降りて靴や靴下を脱いで川の中の岩に腰掛けて足を水に沈める。。。 冷たい! が、心地良い。 これは足湯と反対だね。 足湯は足を温泉につけているだけでそのうちに体全体が温まるが・・・この川の冷めたい水に足をひたしていれば体も涼しくなるってもんだ。(扉の写真は川に足をひたして涼む彼女)

 この滝まで歩いてくる道・・・今回は不法侵入(?)で車で走ってしまったが、歩くになかなか心地の良さそうな道だ。 途中には渓流沿いにテラス席のあるカフェなどもあって・・・いい雰囲気の道だった。 

“今度は歩いてみたいね。紅葉時期に歩いたら綺麗そうだし”

そう彼女に提案した。 彼女も

“いいね~そうしよう”

と、即座に賛成する。 そこで・・・

“お弁当でも持って歩きに来よう!”

そう私が言えば

“○○○(彼女の妹さんの名前)たちも誘ってこよう!”

と、これまた即座に返答が返って来た。 彼女が妹さんの名を出した魂胆はみえみえだ。

“○○○ちゃんにお弁当を作ってもらうつもりだな~”

そうなのだ。 彼女の妹さんの料理上手はよく彼女からも聞いていたし、妹さんが作った料理を彼女が 「ご馳走」 という文面とともに携帯で撮った写真を送ってきてくれたことがある。 確かに・・・美味しそうだった。 彼女の妹さん誘い込み計画に半分呆れながら私が笑っていると・・・

“私、料理を盛り付けたり詰め込んだりするのは上手いんだからね~”

などと、おかしな自慢を。。。

“じゃ、自分は盛り付けたり詰めたりするだけなん?”

そう私が突っ込めば

“うん!”

そう元気に頷く彼女。 その だから何? みたいな彼女のあっけらかんとした表情を見れば・・・今度はほとんど呆ればかりで笑うしかないし。(笑)



 ひとしきり川で涼んで川から出ようとした時・・・彼女が川の中の水を指差して言った。

“あっ!ハートの水たまり!”


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 滝を後にして・・・帰る途中に箕面自然休養林に立ち寄ったりしながら・・・彼女の部屋の戻った。。。

 西の町の残暑は厳しかった。。。 彼女の部屋で涼みながら・・・しばしのほほんな時を過ごす。 その間に彼女には私が持参した短編集の中の物語のひとつを読んでもらう。 私が読んだ短編集の中に収められているその物語・・・彼女に読んでもらって二人でその物語に描かれているように実践してみたいと彼女には伝えてあった。

 読み終えた彼女に・・・

“どう?刺激された?”

そう問えば・・・やや控え目ながら うん と頷く彼女。。。 決行だ。。。

 
 彼女の部屋を出て・・・彼女の妹さん推薦の居酒屋に向った。 カウンターの一番奥に座し、飲みながらじっくり話しをした。 今回こうして会う事・・・かなり前から日程が決まっていた。 会うまでの間に二人の間には様々なことがあった。 が、こうして肩並べてカウンターで飲んでいれば・・・そんな様々なことが笑い話になっていたり、すっかり済んでしまっていることになっていたり・・・つまりこうして互いの表情を眺めながら話せばちゃんと理解し合えることがほとんどだということがよくわかる。。。

 この夜も彼女は結構酔った。。。 彼女が椅子ごと体を私の方に向けたかと思ったら足を上げ・・・両膝裏を彼女側にある私の右膝の上に乗せた。 やれやれ・・・どうやら酔った時の彼女の足の置き場は私の足の上・・・らしい。(笑)


 やや千鳥足気味の彼女の体を支えながら・・・人通りの少なくなった商店街を通ってゆっくりと戻った。。。 こんな風に二人で飲んで歩く時間・・・悪くない。。。 酔って私に体を預けるようにして歩く彼女の体重を引き受けるようにして歩く・・・そんな時間・・・悪くない。。。 以前こうして二人で歩いた時より・・・体だけではなく二人の気持ちが密着しているかな・・・そんなことも感じながらずいぶんと人の往来が減った道を歩いた。。。 


 その夜・・・彼女に読んでもらった短編小説を真似っこした・・・二人で。。。 ワインなども飲みながら・・・二人で過ごす夜は、またも長い夜となった・・・。                                              (以下、後編につづく・・・)


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