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A Short Story ~ 西からやってきた女(ひと)
- 2010/07/16(Fri) -
                         (Please click this photograph)
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                                 向日葵畑

 それは携帯のメールで突然告げられた。。。 「もうすぐ名古屋に着くから・・・」と。 

 前夜からのメールのやり取りは決して芳しいものではなかった。。。 そんなメールのやり取りの中で 「明日会いに行く」 と彼女が告げてきた。 私は 「無理だ」 と断った。 近いうちに会う必要があることは私も感じてはいたが・・・こういう情況で会いたいとは思えなかったからだ。 せっかく会うなら笑顔で会いたかったし、彼女が来てくれるというなら・・・様々計画もしたいと思っていたから。。。 

 一旦断った話しだから、まさか朝からメールも電話も途絶えた彼女が新幹線に飛び乗ってこちらに向っているなどとは思ってもいなかった。。。 昼少し前に私がメールをしたことからメールでの会話が再開し・・・彼女を乗せた新幹線がもうすぐ名古屋に着くことを知った。。。 彼女は、とにかく名古屋まで来て電話で話し・・・話しが良い方向に進展しなければ、そのままとんぼ返りしてもいいと思っていた・・・そう後で聞いた。 場合によっては名古屋まで来ていることも話せないこともあり得るとも考えていたようだ。 それは・・・時としてとても頑なになる私の性格を彼女がよく心得ているからこその想定なのだと・・・当の私自身がよくわかっている。

 彼女にそんな覚悟があったということは追々彼女の話しを聞いていくうちにわかったことであり・・・彼女がこちらにやってくるということを知った時点の私はそんな彼女の考えを知る由も無く。。。 2時間以上もかけて新幹線に乗ってやってくる彼女をそのまま帰すわけにはいかない・・・そう考えて大急ぎで仕事の調整をしつつ、場合によってはキャンセルになることもあるかなと思いつつ・・・宿を探して予約を入れ、あたふたと身支度をしてすでに彼女が着いているであろう駅に向って車を走らせた。。。


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 駅で合流し、移動の車中で・・・パスタの昼食をとりながら・・・話し合っていた。。。 二人とも会って話すことが最も話しを深めるには大切なこと・・・それはわかっていた。。。 が、話しをこじらせたのは、二人が何が問題なのかという点において共通認識がなされていなかったことにあった。。。

 話しながら私は車を海に向けて走らせていた。。。 彼女がこちらに来たときには海に連れて行きたいとかねてから思っていたからだ。 彼女は海で波に乗っていた人だ。 以前から “海を見たい” と彼女が言うのを度々聞いていたから。。。
 ふと話しが途切れると・・・彼女の瞼が閉じられていた。。。 無理もないことだ。 彼女はほぼ一昼夜寝ていない。。。 だから、少しそのまま寝ていればいい・・・でも、海が見えてきたら起こそう・・・そう思っていた。 30分もかからず・・・このカーブを曲がれば海が見えるという所に車が差し掛かり、彼女を起こそうかと思った矢先 “ごめんなさい。。。寝ちゃってた。。。” と、彼女が目を覚ました。。。 少なからず驚いた・・・海が好きな彼女、敏感に海の空気を察知して目を覚ましたのではないかと思ったほどだ。。。

 海を眺められるカウンターのある店・・・幸いこの日は貸しきり状態で・・・生憎の雨天ではあったが、海を眺めながらじっくりと話しが出来た。。。

 話しているうちに彼女が思い悩んでいた最も大きな問題を私も認識しはじめていた。。。 それは・・・私が彼女に言った一言が発端となっていた。。。 その言葉がいかに不遜なことで、彼女にとっては受け入れ難いこともあり得る言葉であるか・・・それは私も十分にわかっているつもりだった。。。 が、自分の素な気持ちを彼女に伝えるのに、その場が収まればいいというような繕い言やもちろんいい加減な嘘を伝えようとは思わなかった。 本当に素直にそう思うことを伝えたつもりだった。。。 その言葉が彼女を混乱させ、苦悩させているというその情況を私が正しく認識できていなかった。。。 だから私も・・・なんだかおかしいなぁ・・・というそんな状態が続く日々だった。。。 
 転機は、彼女の昔からの知人であるお店を営んでいる男性に彼女が率直に相談してみたことだったという。。。 彼女が言うには、その男性・・・見た目のタイプは私とは違うそうなのだが、気質が似ているところがあるような気がしていたとのこと・・・。 その男性と私が話をすれば・・・きっと気が合うと思う・・・彼女はそうも思えたからこそ、その男性に私が彼女に言った言葉について “男の人って、そういうことって出来るの?” と聞けば、その男性は即答で “ある” と答えたそうだ。。。 その返事を聞いて、実際に会って・・・自分の、そして私の気持ちを見極めてみよう・・・そう決心したとのこと。。。
 彼女が相談したその男性は、彼女にこうも言ったそうだ “今、話しをしない状態になったとしても・・・きっと8月にでもなれば○○さん(彼女のこと)から電話すると思うよ・・・”とも。

 海を眺められるカウンターで・・・彼女から・・・彼女の考え、そして、急遽新幹線に飛び乗って会いに行ってみようと思った経緯などをじっくり聞いた。 私の中の 何故?や わかんない? も少しずつ溶けていくのもわかったし・・・私も私なりに考えていたことを彼女に伝えた。。。

 海の見えるカウンターのある店を出るときには “宿、とってあるから行こう” と、自然に彼女に伝えられるほどに・・・私の気持ちも二人の間の空気感もほぐれているのを感じていた。。。

 宿は海辺の温泉宿だ。 実は、彼女が来ることを知った段階で私が宿を予約するのに外せないと思ったキーワードは 「海」 と 「温泉」 だった。。。 思うところあって、彼女とはいつか必ず温泉宿に行こうと思っていたから。。。


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 海辺だから・・・かなりしょっぱい温泉だったが・・・温泉はいい。。。 体もツルツルにするけど・・・心もスベスベにしてくれる効能があるんだよね。 きっとそうだと思う。。。 宿に入ってお風呂に入ったりしている間に・・・会った当初には二人の間に漂っていた緊張感はすっかり平らかにスベスベになってきており・・・彼女持ち前のいい意味での天然さを大いに発揮してくれたりして私もかなり笑わされるほどになっていた。。。

 夜・・・二人で部屋で飲みながら話もし・・・夜ともなって巷が静かになれば・・・部屋から波の音が聴こえてくる部屋で眠った。。。


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 翌朝・・・深夜まで窓を叩いていた強い雨は止み・・・雲間から青空が垣間見られるような状態にまで天候が回復してきた。。。 実は、彼女は自ら認める雨女だ。 私は、西から彼女が雨まで連れてやってきたのかと思っていた。。。 近年は神通力が低下しつつあるとはいえ、元来私は晴れ男であり、この天候の回復は私の晴れ男ぶりの為せる業・・・そう彼女にも宣言し、せっかくやって来た彼女を出来るだけ多くの場所に連れて行きたい・・・そう思った。

 まずは、宿をチェックアウトした後・・・宿の前の浜辺を少し散歩した。。。 波は穏やかで・・・昨日の暗い曇天下の灰色の海の色とは違い・・・少し覗き始めた青空の青を映して海の色も青みを帯びつつあった。。。

 彼女が “海を撮って妹に送る” と、携帯で海を撮る姿を・・・私が後方から盗撮した。 彼女には、私がカメラで撮っている姿など・・・これまでも盗撮されてきている。 たまには意趣返しだ。


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 彼女が海の写真を送るといった妹さん・・・彼女がこちらに向うのに新幹線の時間などの情報を彼女に伝える後方支援役を務めてくれたそうで・・・彼女曰く “妹も共犯者なの” だそうだ。(笑)
 その妹さん・・・大雨で “流されてないか~” と、彼女を心配するメールを彼女に送ってきていた。。。 もちろん大雨ということでの心配もあっただろうが・・・彼女がこちらにやって来ることのおおよその理由を聞いているだろうこともあって・・・そんな姉を心配する気持ちもあってのメールだろうと思ったりもした。。。


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 雨が上がったのなら・・・ぜひ彼女に見せたい光景があった。。。 


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 この向日葵畑だ。。。 つい最近、新聞でここの向日葵畑が見頃を迎えていると紹介されていたからだ・・・。


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 ここの向日葵畑の向日葵たち、ごく稀にあらぬ方向を向いている・・・彼女のように・・・いや、彼女と私のようにへそ曲がり者もいたりはするが(笑)・・・ほとんどの花は見事に東に顔を向けており、向日葵畑の端に立って西側を向けば・・・数多の向日葵の花に見つめられることになる。。。 その様子はなかなかの壮観だ。。。


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 ここの向日葵は見学料に向日葵を5本切って持ち帰る費用が含まれている。 管理するおばチャンたちのアドバイス通り、花開いている向日葵ではなく・・・私も彼女も開花直前の向日葵を5本ずつハサミで切った。


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 前から “海が見たい” よくそう言っていた彼女に様々な海のロケーションを見せたいと思って方々に車を走らせながら・・・途中でお気に入りのお店に立ち寄ろうともしたのだが・・・どうも私の 「定休日スパイラル癖」 が出てしまったようで・・・二日間で目指したお店が定休日で閉まっていたというケースが・・・なんと3店も! 我ながら苦笑いするしかない。。。(⌒▽⌒;


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 いつしか・・・雲間から漏れる陽光に海が光っているのに気付いた。。。 海辺の光景を背景にして・・・ちょっと雰囲気のある彼女の写真を撮ろうとしている時のことだ。。。 なかなか綺麗な光景だった。。。 その時撮っていた彼女の写真なのだが・・・私的には、あくまで 「雰囲気のある写真」 を目指して撮っていたのだが・・・どうもどの写真も彼女が思った以上の笑顔で写ってしまっていて 「雰囲気のある写真」 というより 「なんだかわかんないけどとにかく楽しそうな写真」 がほとんどになってしまったような・・・。(汗) まぁ・・・それはそれできっと良いことなんだと思う・・・ことにした。(笑)


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 夕刻近く・・・湿度の高い暑さに蒸された体をクールダウンしようと・・・ふんわり氷が美味しいかき氷を出すお店に。。。 私は黒蜜ミルクのかき氷を。。。 彼女は氷の乗った冷たいぜんざいを。。。 食べながら口直しすれば良いだろうに・・・甘いぜんざいを全部食べてしまってから小皿で付いてきた添え物の飛び切り塩っ辛い小梅を齧って “辛い!辛い!しょっぱい!” と、大騒ぎする彼女を “やっぱり・・・おもろい奴やなぁ~” と眺めずにはおられなかった。。。(笑)


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 それまでは止んでいた雨・・・私がかき氷を食べ終わり、彼女の 辛くしょっぱく なった口の中がおさまった頃にまた降り出した。。。 “ほら!ここまで雨を降らせずにいたのは、俺の晴れ男神通力のおかげだし” と、一応彼女には主張しておいた。。。

 二日目は二人ともたくさん笑いながら・・・海辺をあちこち寄ったりしていた。。。 率直にお互いの気持ちも言い合った。。。 それぞれの気持ちの中にあるものも確認できたと感じられた。。。 結果的に・・・唐突に思えないでもなかったが・・・激しい雨を引き連れて西から来てくれた彼女に感謝すること大とはなった。。。

 今度は私が西に向おう。。。 そして、彼女に実に(私にとっては)的確な・・・男としては 同志よ! と思えるような助言をしてくれた男性のお店に彼女と一緒に飲みに行こうと思う。 そして、向こうはわけがわかんないかもしれないが・・・是非、握手をしたいと思う。(笑) きっと彼女の言うように気が合うような気がする。。。 なによりも・・・その男性の営むお店は、私も彼女も・・・大の好物系を扱うお店だから。。。


 最期の写真(↓)・・・左は私の部屋で花開きつつある向日葵の花。 右は彼女の部屋で花開きつつある向日葵の花。。。 彼女の部屋の向日葵は私が摘んだ5本の向日葵だ。 私の部屋にある向日葵は彼女が摘んだ5本の向日葵だ。 一緒に摘んだ向日葵が・・・それぞれの部屋で花開いてきている・・・。


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コメント
- 女と男の -

いいお話ですねぇ~、
干からびた心と身体に少し潤いがもどったような・・・?

Seionさんの向日葵は残念ながら枯れてるようねぇ!・・・笑、おっと失礼、すんまへん!
2010/07/17 07:27  | URL | 淡青 #OiQFw5LI[ 編集] |  ▲ top

- 淡青さまへ -

いいお話しなどと・・・お恥ずかしい。。。(⌒▽⌒;
しかし・・・「A Short Story」ですから・・・どこまで真実かは・・・???・・・だったりしますが。。。(笑)

うちにある向日葵は彼女が切ったもので・・・萎れたらきっとそれが原因かと?(爆)
2010/07/17 14:58  | URL | Haru.Seion #-[ 編集] |  ▲ top


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