A Short Story ~西へ・・・。
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- 2010/07/31(Sat) -
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本記事は・・・- 2010/07/16(Fri) - 「A Short Story ~ 西からやってきた女(ひと)」 の続編ということに・・・なるかな。。。
その電話を切った瞬間・・・“よし。。。行こう!” と心は決まっていた。 彼女との間の問題が発生していた。 第三者的に見れば よくある男と女の間に起こる諍い ということにもなるのかもしれないが・・・彼女の言い分もまったくわからないわけではないのだが、私的には・・・人としてどうなのか・・・という部分でこだわっていた。 仕事しながらも “どうしたもんかな。。。” そう思っていた昼時も近づいてこようという時間帯・・・携帯に着信が。。。 ディスプレイには見慣れぬ電話番号が表示されている。 “誰だろう?” そう思って出てみれば・・・なんと彼女の妹さんだった。 妹さんとはしっかりと話したことはない。 彼女と話しているときに彼女の背後から妹さんの声が聞えていたり、電話で話す彼女を介して言葉を交わした程度ではあったが・・・とても愉快な妹さん・・・彼女からの話しでそんな感じはしていた。 妹さん・・・“どないですか~” みたいな感じの話の切り出しから、彼女から話しを聞いて電話をくれたということを伝えてくれた。 が、特に私に抗議をするわけでもなく、お姉さんと私の中を円滑な状態に戻そうというわけでもなさそうな・・・なんとなく姉である彼女のことをあれこれと話した。 いや、なんとなく妙に ガッテン! することの多い不思議に笑いの多い会話ではあったが・・・話しの後半で “まぁ、出来るだけ早いうちに来てやってもらえませんか?” と、そう言った妹さんの言葉が西へ向うことを決めさせた要因になったことは確かだ。 妹さん・・・姉である彼女のことを心配していることは言葉の端々に感じるのだが、かといって単にお姉さんのサイドに立って話しをするだけではない。 私にも “人として良くないと思うことがあればガンガン言ってやって!” という言葉が会話の中に出てくるくらいに・・・基本、「一方聞いて沙汰するな」というスタンスが出来ている人だと感じられた。 彼女は、その夜にでもまたこちらに “行きたい” と伝えてきていた。 しかし、今度会うなら私が西へ行きたいと思っていた。 それは彼女のことで少しでも手伝えたらいいな・・・。 内心そう思っていることもあって、行くタイミングを計っていたという感じだったから。。。 だから、妹さんとの電話を切ってから仕事の調整をして・・・彼女に電話をし、 “俺、行くよ” と伝えた。 夕方から西へと車を走らせた。 彼女の住まう街には以前も一度行っている。 が、その後彼女は新たな住まいを見つけてそこに越しているので・・・その部屋を訪れたことはない。 走ってきた高速を降り、彼女と待ち合わせした彼女の部屋の最寄り駅に近づいていくのを電話で話しながら彼女はネット上の地図で確認しながら誘導してくれる・・・という安心な待ち合わせ・・・のはずだった。。。 まず、その安心に影が差したのは “あれれ~わかんなくなっちゃった~” と、彼女が私の走っている場所を地図上で確認できなくなったこと・・・そして、なんとかその駅に着いて駅横のあまり駐停車が好ましくなかろうと思われる場所に私が車を停めると同時にといっていいタイミングで、それまで彼女と話していた電話が切れた。。。 かけなおしても 「電波の届かない所におられるか、電源が入っていないため・・・」 というアナウンス。。。 なんと、このタイミングで彼女の携帯の電池が切れたようで。。。 見知らぬ土地の見知らぬ駅の横手で途方にくれるような心持ちに・・・。 まぁ、何分かすれば電話も通じるだろうと・・・車を停めた場所をメールしておこう・・・そう思って下を向いて携帯のキーを指で押し始めた矢先・・・運転手サイドの窓ガラスが トントントン と叩かれた。 ビックリして窓ガラスを振り返ると・・・自転車に乗った女性が笑顔でこちらを見ている。 “えッ?なんで?” と思いつつ私が窓ガラスを下ろすと、その女性は開口一番 “困りますね~こんなとこに停められては~” と、あくまで笑顔でそう言った。。。 なんとその女性こそ、お昼前まで電話で話しをしていた彼女の妹さんだった。 私も妹さんももちろん初対面なのだが・・・お互いに彼女を通じて写真は見ていたので・・・路頭に迷ういそうな私は彼女の妹さんとその恋人さんに救われたのだ。 なんでも・・・妹さんが一緒に暮らす恋人さんと買い物途中に駅の界隈に差し掛かったところ・・・あまり見慣れないナンバーの車が停まっていることにたまたま気付き、彼女から私が来ることになったことになったことを聞いていた二人と東からやってきた私が偶然遭遇するという・・・なんだか “そんなことってあるんだな~” と思うしかないような・・・そんな出来事で西の街での滞在が始まった。 車をパーキングに入れ、小雨降る中待っていてくれた妹さんに(さすがに少し遠慮がち)に私の持つ傘を差しかけつつ、妹さんの案内で彼女の住まいへと向った。 穏やかな笑顔がとても印象的な妹さんの恋人さんが “○○さん(私のこと)、めっけ!” と、すでに彼女に告げに行ってくれており・・・彼女の住まいに向う私と妹さん、そして住まいから駅へと向った彼女は途上の路上で出会った。 彼女・・・顔は笑顔ながら “いきなり他の女と相合傘かよ!” と、随分なご挨拶を。 “携帯電池切らすなよッ!” と、私も応酬。。。 なんだかちょっとひねったドラマのシナリオのような出会いとなった彼女の妹さんと恋人さんは、仲良く自転車を並べて彼らの住まいへと戻っていった。 彼女の部屋に入り・・・本当に驚いた妹さんたちとの出会いなどを爆笑で話しながら・・・近くで夕食でも。。。 そういうことになり・・・二人して “行ってみる?” と、近くのとあるお店に。 そのお店は 「A Short Story ~ 西からやってきた女(ひと)」 でも記したが・・・彼女が私との事を相談していて彼女が “そうなのかな~?” と思うような主な三点の疑問についていずれも “ある” “自分もそうする” などとことごとく私が言ったことと同じことを答えた男性の営むお店だ。。。 店に入りカウンターに座り、カウンターの中のその男性に軽く会釈をする。 かすかに驚いたような表情が垣間見られたカウンターの中の男性も “いらっしゃい” と。。。 そのお店の料理はなかなか美味しかった。 私も彼女も好物系を扱うお店なので・・・お酒を飲みながら、箸も進み、会話も弾んだ。 そんな二人の様子をきっと少し観察していたのかもしれない・・・主にきっと彼女の表情を見ていたのだろうと思う・・・カウンターの中の男性が私たちがカウンターに座って30分以上は経っているだろう頃に突然私に “いらっしゃいませ。ようこそ。” と声を掛けてきた。 私がどこに住んでいるかも彼女から聞いて覚えているだろうその男性の “ようこそ” には、遠路はるばる・・・という意が込められているのかもしれないと感じた。 私は・・・私と同じように考え、行動すると彼女の相談に答えてくれていたその男性に男としてのある種の共感を感じており・・・店を訪れることがあったらそうしたいと思っていたように、握手すべく手を差し出した。 その男性も、とくに何も言わずに静かな笑顔で握手に応じてくれた。 その夜・・・彼女の部屋でワイン飲みながら話した。 いつしか・・・会う前に発生した問題はとうに過去のこととなっていた。。。 (次の日に彼女が撮った写真を転用) 翌朝、ゆっくり目覚め・・・彼女と二人で車に乗り込み、彼女の妹さんを家まで迎えに行った。 妹さんにも手伝ってもらう必要がある とある秘密ミッション(明らかに大袈裟!・・・笑) を実行に移すためだ。 これこそ急遽私が西にやって来た大きな目的の一つである 彼女のことを手伝うこと の一環であり・・・そのミッションはほぼ完遂できた。 それにしても・・・彼女から聞いてはいたが・・・彼女の妹さんはとても愉快な人だ。 話していて・・・何度手を叩いて笑ってしまったことか。 下(↓)の写真は、彼女から極秘で入手した妹さんの写真だ。 恋人さんより先に寝てしまうとき・・・恋人さんを驚かそうと妹さんが考えて作製した 目付きアイマスク だ。 これだけではなく・・・幾つかのバージョンがあるらしい。 中には血走った眼もあったりする・・・(笑) 最近は、妹さんも恋人さんと共に私のブログを見ていてくれるらしい・・・。 写真載せたこと・・・怒らないでくだされたく。。。 苦情などは姉上のほうにお願い致したく。。。何卒。。。(笑) 妹さんの名誉のために言っておくが・・・彼女曰く “妹は昔から美人で評判だった” ということで・・・この愉快なアイマスクの写真だけで判断していただきたくはない素敵な女性だ。 更に言うなら・・・ただ愉快なだけではなく、何気にきっちり気遣いの出来る人で・・・私など結構感心することも多々あり・・・彼女にこっそりと妹さんの爪の垢を煎じて飲ませたい・・・そう思ったり・・・?(笑) 三人でパスタでランチを。。。 とても賑やかで笑いの多いランチだった。 食の胃袋も笑いの胃袋もしっかり満たされた。 (何方かがサラダバーの椎茸を使って作ったミッキー調のお顔・・・彼女の撮った写真転用) (↑が私たちが爆笑ランチで食したパスタ&デザート・・・やはり彼女の撮った写真転用) ランチ後・・・午前の作業に関連して買い物が必要だったりしたのだが、妹さんは “あとはお二人でどうぞ” ・・・と。。。 以降は私たちに二人で行動するようにという気遣いなんだろうな・・・そう感じた。 二人になって必要な必要な買い物を済ませ・・・“また行ってみよう” と、かねてから話していた大阪の街が一望できる山に行った。 この山でこうして二人で大阪の街を眺めること・・・二度目だ。 前回もそうだったのだが・・・やはり今回も曇天・・・しかもかなりの霧。。。 有料道路の料金所のおばチャンに 本当に登るの? といわんばかりの不思議そうな表情をされたが・・・たとえ景色が観られなくとも構わない。 二人にとって意味のあるその場所に行ってみたいということが第一義だったから・・・。 雨女の彼女・・・彼女と会うときに雨が降らなかったことはない。 が、私にも自称晴れ男の意地ががる。 その意地が天に通じたかどうかはわからないが・・・着いたときには ここは雲の中? 状態だったのだが・・・しばらくすると山にかかっていた雲が流れていったか・・・大阪の街並みが見えてきた。 不思議なものだ。。。 前に二人で来たときと全く同じような天候の推移だ。。。 この山を車で走りながらの二人の会話の中からある 「約束」 が交わされることになった。 それはきわめて自然に・・・まるで二人の会話がのみとなって余分なことを削ぎ落とし、二人の心の中にある 「大切なこと」 を浮き彫りにさせていくことによって交わされることになった 「必然的な約束」 ・・・そんな感じだった。 その約束が実行されるということは、二人にとって必ずしも良いことばかりではない。。。 そんな 「約束」 だ。 が、二人にとってとても意味のある 「約束」 であることは・・・自分たちが身に染みて感じているからこそ浮かび上がってきた 「約束」 であり、そのことは当の二人がよくわかっている。 決して忘れる事のない 「約束」 が・・・二人にとって意味のあるこの山で交わされたこと・・・それはきっと偶然ではない。 そんな気がしていた。。。 眼下に広がる街並みを背景に彼女を撮ってみた。 前に来たときには厚手のジャケットを着た彼女を撮った。 今回はノースリーブ姿だ。 季節は流れ・・・二人の間にも様々な出来事が起こりながらも・・・時は流れた。 だが、まだ肌寒い季節に二人でやってきた場所に、涼しいとはいえ、真夏にまたこうして二人でいる。。。 “紅葉も観に来ようよ” そう彼女が言った。 異論は無い。 そんなことなら容易に実現できる約束だし・・・きっとそういう機会はあるだろう。。。 この山には遊園地がある。 この日は悪天候のために閉園されていた。 車が一台も無い広い駐車場・・・向こうの景色が霧のカーテンで覆われていた。。。 その誰一人いない遊園地の駐車場を二人で歩いた。 駐車場脇を通る車から見えないよう・・・霧が私たち二人の姿を覆い隠してくれていたと思う。。。 雲の中を二人で歩く・・・そんな感じすらした・・・かな。。。 いい話し合いも出来たし、霧の演出でいい二人の時間も共有できた。。。 また新たな想い出を創ってくれた山を下り・・・彼女の部屋の近くで夕食を。。。 以前、彼女が妹さんと行ったという串かつ屋さんへ。。。 静かにジャズが流れるお洒落な店だ。 お任せにして順次揚がった串を食しながら・・・冷酒で乾杯し、時として妹さんと恋人さんから送られてくるLovelyで愉快なメールや写真を見ながら彼女と二人で大笑いし、私たちからも対抗メールや写真を送ったりして・・・美味しい串を食しながら、お酒もついつい進んだ。。。 珍しく彼女が結構酔っている姿を見せた。 それはきっと、その店から自分の部屋が歩いてすぐの所という気安さもあるだろう。。。 が、それよりも・・・今までより今回の方が どんな話しも出来る という雰囲気が二人の仲に出来てきたということが大きいようにも思えた。 やがて他のお客さんが居なくなり、貸切状態となったカウンターで冷たい日本酒を飲みながら絡まる指、彼女が絡めてきたカウンターの下の脚・・・絡まっていたのは指や脚だけではなく・・・心もそうだったように感じられた。 酔った彼女を支えるようにして彼女の部屋に戻った。。。 しばらく休息させてもらって夜中に帰ることにした。 しばし仮眠をとり、私は東に向って帰ることに。。。 “駐車場まで送るから” と、彼女。。。 玄関までの見送りにして欲しかった。 駐車場まで来られるのはちょっと辛いかな・・・そう思えた。 が、彼女は聞き入れてくれず・・・結局二人で車を停めた駐車場まで深夜になって静かになった街を歩いた。 車を出し、彼女を彼女の部屋の前まで送り届けた。 彼女は車から降り、そして私は東へと戻っていく。 その直前の車内の彼女・・・そして私。 やはり私が内心恐れていた雰囲気となってしまった。。。 “今度は私・・・行くから” そう彼女が行った。 “うん。おいで。。。” そう応えるのがやっとだった。 顔を伏せたまま彼女が車から降りた。 車の方向を変えて、彼女が見送る前をゆっくりと通り過ぎながら助手席側の窓ガラスを下げ “また!” と、怒鳴るように・・・そう彼女に伝えた。 彼女が コクン と何度か頷くのをしっかり目に焼きつけて・・・夜の街を東へと向って帰路についた。。。 例によって・・・あくまで「A Short Story」であり・・・この話しのどこまが真実かは・・・???・・・だったりして。。。(笑) **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** スポンサーサイト
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ユリの花&女神に選ばれた歌姫
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- 2010/07/24(Sat) -
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最近、とても美しい歌声を知った。。。 キャサリン・ジェンキンス・・・イギリス・ウェールズ南部生まれのメゾ・ソプラノ歌手。 今年30歳。 “女神に選ばれた次の歌姫” と呼ばれ、ますますの活躍を期待されるヴォーカリスト。 その歌声に魅了され・・・最新アルバムとベストアルバムを一気にDL。。。 夜はボリュームを落として静かに・・・昼間はその伸びやかな声をしっかり堪能している。 『Believe』 Katherine Jenkins 『Ultimate Collection』 Katherine Jenkins 『Believe』から「Angel」を。。。 私が何度 “美しい歌声!” と言うよりも・・・聴いていただくのが間違いなく早くわかっていただけよう。。。 『Believe』は・・・あのデビッド・フォスターがプロデュースということで・・・クラシックに造詣のない私にも何ら抵抗なく・・・ただただ彼女の美しい歌声を堪能できる。 現在、私の部屋では・・・朝に夕に、そして夜な夜な・・・この2枚のアルバムを通しで聴いている。 キャサリン・ジェンキンスの歌声と共に・・・私が撮ったユリの花を見ていただければ幸い哉。。。 最後に『Believe』の中から・・・イタリアのテノール歌手、アンドレア・ボチェッリとのデュエットでしっとりと歌い上げる 「I Believe」 を。。。 思わず溜め息が出てしまうような素敵な曲だ・・・。 **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
睡蓮
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- 2010/07/22(Thu) -
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今年はじめてまともに睡蓮が咲いている姿に出会った。 今年は睡蓮や蓮の花の咲いている姿に縁が無いかとやや諦めかけていたので・・・嬉しい出逢いだった。。。 睡蓮・・・昔から人々を魅了してきた花のようで・・・世界各地の様々な伝説や伝承話しに登場している。 中でも私がなんとなく心惹かれるのはドイツでは睡蓮が水辺に住まう妖精の化身だとして語られる話しだ。 それは・・・水辺に住む妖精たちが自分たちに良からぬ行いをしそうな人間が近づいてくると、睡蓮にその姿を変えて身を守ると言われているという伝説だ。 しかも、睡蓮に姿を変えた妖精には護衛がいるというのだ。 妖精が変身した睡蓮なのだから、その花はさぞや美しいに違いなく・・・その花に魅了されて手折ろうとする者があれば、睡蓮の下の水の中に潜んでいる魔物が手折ろうとする者に害を及ぼすと言われてもいるらしい。。。 睡蓮と言う花の持つどこか神秘的な佇まいに相応しい伝説だと思う。。。 残念ながら私は、睡蓮の咲いている水辺で妖精の姿を見かけたことがない。。。 ってことは・・・私なんぞは水辺の妖精たちには自分たちに害を及ぼす輩だと思われているのかも知れず・・・。 そうであるならば・・・今後どんなに心惹かれる睡蓮の花に出会ったとしても、その花を手折ってお持ち帰りしようなどと邪心を起こすのはやめよう。。。 水の中から飛び出してきた魔物に食われたり水の中に引きずり込まれたら・・・怖いから。。。(笑) 昨日の新聞に、かつて記事で著書(- 2009/01/16(Fri) -優しく、易しく・・・人生を、仏教を語る一冊)を紹介したこともある・・・ひろさちや氏のコラムが掲載されており・・・とても興味深く読んだ。 それはこういう内容だ・・・ ある人が子供の頃、隣の家のおじいさんがもぎらずに残しておいた柿の木の天辺の柿の実をとって、おじいさんにひどく怒られた。 きっとそのおじいさんはその実を熟させて味わおうと思っていた柿だったのだろう。。。 そう話すその人の言を聞いていたひろさん・・・それは違うだろうと思ったのだ。 きっと・・・それは禅僧が自分の食べるご飯を一箸分とっておいて食後にそれを屋外の鳥に生飯(きはん)として供するのと同じで・・・その柿の木にやってくる鳥のために残しておいた柿であろうし・・・だからこそひどく怒ったのではないか・・・そう思ったそうだ。 かつての日本人は、この世に生きているのは自分たちだけではないという考えを持っていたからそういう行いも自然に出来た。 人間が自然をも取り仕切っていると考えるのはキリスト教的な考え方であり、そういう考え方に戦後の日本人も染まっていくことになる。 が、キリスト教徒は自分たちが神から与えられた自然の仕切りに失敗でもしようものなら、神に対して申し訳ないという考え方が行動を抑制することにも規制することにもなるが・・・そういう深い信仰心を持たないままに西欧風の考え方で突っ走ってきた日本人はどうだ? それが最も困る存在になってはいないか・・・そういうひろさんの危惧する心がよく伝わってくるコラムだった。 かつての日本人は、全てのものに神様が宿るとし・・・そうとは意識しなくてもきわめて神道的な考え方をしたものだ。 だからむやみやたらな乱開発はしなかったし、自然との共生意識は強かった。 モノも粗末にしなかった。。。 ひろさが危惧するように・・・信仰心のバックボーン無しに、考え方のみ西洋化して突っ走ってきた日本人は・・・その結果の今の日本の有様はどうか・・・よくよく考えてみる必要があるのかもしれない。。。 ひろさんの文章を読んで考えること大であった。 時々、人家の近くの雑木林などを歩いていると・・・誰がそうしたか、ミカンを半分に割った実が木の枝に刺してあったりする光景に出会うことがある。。。 そうやってその林にいる小鳥にミカンを差し入れようとする人のあるを知った瞬間・・・なんだか心が優しくなれたりする。。。 そう感じられる心がなによりまずは大切なんだと思うし、そんな光景に出会っても何も感じないような心の持ち主にはなりたくないし。。。 ましてや、意味無く自然や生き物に害を及ぼすような・・・害を及ぼされる側の自然や生き物にとって魔物のような人間になり果てることのないようにしたいものだ。。。 やはり・・・いくら妖精の化身のような美しい睡蓮に出会ったとしても・・・自らの欲望を満たすためにいたずらにその睡蓮の花を手折ったりするのはよそう。。。 睡蓮の花の下の水の中からまさか魔物は飛び出してはこないだろうが・・・魔物に攻撃されることよりも、自らの欲求のためだけに自然をないがしろにしていく結果・・・やがて受けることになるだろう自然からの報復の怖さは睡蓮の花の下に潜む魔物どころの騒ぎではなかろうと・・・思う。。。 ところで・・・この夏、睡蓮の花咲く姿・・・見た? なんとなく心洗われるような気持ちにさせてもらえるこの花をじっくり眺めるのも悪くないよ。。。 そう思うよ。。。 **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
青田の頃
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- 2010/07/12(Mon) -
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またも梅雨空の日曜となった。。。 どうも梅雨入りしてから安定した晴天の日曜ってないような・・・。 本来なら涼しい山にでも行きたいところだが・・・なかなか天候に恵まれず。。。(゜▽゜;) ということで・・・日曜に出かけたのは新たなお店探訪。。。 実は以前行ったことのあるカフェが移転したということを知った。 そのお店はもともとわかりにくい場所にあった店なのだが・・・移転先はもっとわかりにくい場所のようで。。。 移転先のお店のことを記事にしたある方のブログでは “ほとんど隠れん坊のような” と、その店の場所のわかりにくさを紹介されており・・・そこまでわかりにくいなら是非とも探して行ってみたいと持ち前の好奇心に火が点いて・・・(笑) 行ってみれば・・・わかりにくいということもないのだが、間違いなく通りすがりの人には見つけてもらえない場所であることは確かだと思った。 そのお店は、木工製品の店、皮細工の店、雑貨店、エスニカンなお店が長屋状に横並びに並ぶ一番奥にあった。 カフェに入る前にそれぞれのお店に入ってみることにした。 もちろんそれぞれのお店にはそれぞれの店名があるのだが・・・この横並び状態を学校の教室に見立てたのか・・・木工の店は「木工組」、皮細工の店は「皮組」、雑貨の店は「JUNK組」、エスニカンな店は「アジアン組」と・・・それぞれの店の特徴を学級のように見立てた木札にも遊び心を感じられて楽しい。 皮細工の店も手づくりの革製品を見ていて楽しかったが・・・もともとエスニックな雰囲気が好きな私としては・・・「アジアン組」に大いに興味をひかれたわけで。。。 お店の外のちょっと不気味可愛い首傾げの二人組みと天に向って口を開けた魚・・・手編み風の可愛い帽子がよく似合っているお店の女性に “何処かの国のもの?” と問えば・・・にっこり笑って “どちらもバリのものなんですよ~” と教えてくれた。 おぉ。。。バリか!!! そういえば店内に流れているBGMは。。。 “バリのガムランだよね?” とまた女性に問えば、またも素敵なにっこり笑顔で “よくおわかりですね。今日はバリな気分なんですよ” と応じてくれた。 この「アジアン組」・・・ちょっとお気に入りになってしまうかも・・・? どの店の人も穏やかな笑顔で接してくれて・・・なかなかいい雰囲気でゆっくりと見て回ることが出来た。。。 そして、一番奥のカフェへと向った。 私はアイスチャイ+紅茶のチーズケーキを同行者はなんとか(失念!)の紅茶+パンケーキをお願いした。 この店の壁には様々な絵本や本が立て掛けられており・・・それらの本を読みながらのんびりと過ごすことが出来る。 同行者は・・・形自体が可愛い英語の「ベイブ」の絵本を手に取った。 子供向けの絵本であるとはいえ・・・やはり英語で書かれた絵本の内容を全ては理解できず・・・それでも “この絵はきっとこういうこと” と、自分なりにストーリーを仕立てながら絵本を読んでいるようだった。 まぁ、そういう読み方もありだ・・・な。 カフェだけではなく・・・様々な組も見て回りながら・・・なかなかくつろげるいい雰囲気のある所だと思った。 この(↑)写真は、どうやら月に何日しか開店しないらしい「JUNK組」のお店だ。 この日もお休み! 手づくり感覚が楽しい組(店)を楽しんだ帰路・・・GWに田植えした稲の育ち具合を見に行ってみることにした。 幸いにも雨は上がっており・・・里山の中の田んぼに向ってのんびり散歩。。。 いや・・・ちょっとビックリした。 それはもうまさに青田の光景になっていた。 田植えした時(- 2010/05/03(Mon) -「Seion、田植えす!」参照)には・・・心許ないような苗だったのに。。。 風に揺られて ザワザワ と音を音をさせるほどに育っていた。 よーく見てみれば・・・すでにお米が実っているのも見られた。 よろしい! 順調!順調!!! 青田を揺らして風が通っていく様子は・・・見ていてとても心地の良い風景だった。。。 ひょっとして・・・私たちが植えて育ってきている稲のある田んぼの中を猫バスが通り過ぎて行ってたりして???(笑) 田んぼから車に戻る途中・・・まるでキノコの通り道になっているような光景を目にした。 どんな季節に歩いても里山には歩く者の目を楽しませてくれる光景があるってものだ。。。 **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
夏気分な音!
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- 2010/07/11(Sun) -
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まだ梅雨は明けてはいない。。。 しかし、日々気温は上がっていっているようで・・・湿度は高いし、湿気が体にまとわりつくような蒸し暑さが続いている。。。
が、そんな暑さにめげてばかりはいられない。 少し前の音楽のカテゴリーの記事でも述べたが・・・てっとり早く気分を変えたいと思うときには・・・目新しい音楽を聴くのが私には結構効果があったりする。 いやな蒸し暑さを少しでも緩和してくれるような夏向きの音を発見した。 『夏ボッサ』 アトリエ・ボッサ・コンシャス 知らなかった。。。 実は、このアトリエ・ボッサ・コンシャス・・・洋楽の名曲をボッサアレンジの女性ボーカルでカバーするという試みを 『冬ボッサ』 『春ボッサ』 と続けてきていて・・・春の次だから 『夏ボッサ』 なのである。 実にわかりやすい。(笑) そして、実に聴きやすくて心地良い。 残念ながら 『夏ボッサ』 の動画が見つからなかったので、『冬ボッサ』 に収録されている 「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」 を。。。 まぁ、冬とは言ってもボッサアレンジなのだから、この時期に聴いても違和感はない。 ちなみにCDジャケットのタイトルクリックでAmazonページに飛んでいただければ全曲試聴可! そもそもボッサの冬バージョンや秋バージョンは作りにくいような気がしないでもない・・・かな? 『冬ボッサ』 と銘打つなら・・・全てクリスマスソングをボッサアレンジでカバーするくらいでないと らしく ならないかも。。。 その点・・・『夏ボッサ』は、まさに季節感ピッタリで、とーっても心地良い。 選曲もなかなかお洒落で。。。 思わず “懐かしい!” と手を叩いてしまうような曲が居並んでおり! 「ココモ」 なんてはまりすぎ! 「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」 は、エア・プレイ版もアース版も大好きな曲で。。。 ロッドの 「セイリング」 なんてシブい曲選んでボッサにしたな~と感心したり。。。 ボッサ好きというだけではなく、洋楽小僧の頃から聴いてきた名曲の数々との再会って感じでも楽しめて・・・。 不快指数が高まるこの時期の気分を カラッ とした夏の気分に変えてくれる好気企画な1枚! ちなみに・・・『夏ボッサ』は山本美月、『春ボッサ』は浦浜アリサ、『冬ボッサ』は高垣麗子と・・・私はあまり詳しくはないのだが(笑)・・・売れっ子モデルさんをジャケットに登場させているのもこの企画の大きな特徴なんだとか。。。 制作サイドの一体どの辺りの筋の発想なのだろうか? ジャケットに売れっ子モデルを使うことにそう意味があるとは思えないが・・・なんだか私的には賛同できてしまう企画だ。(笑) このまま 『秋ボッサ』・・・そして 『またも冬ボッサ』 とかいって続けていってほしかったりする。 やがて梅雨は明ける。 梅雨前線停滞のジメジメな時期は終わるのさ。 さーて、夏らしくボッサアレンジされた名曲の数々の詰まったアルバムを車に乗っけて・・・夏ドライブはどこに行こう? 暑さから逃げたり、暑いとぼやいているんじゃなく・・・夏は暑いからこそ夏だと心得て・・・夏を楽しまなくっちゃ!!! 散歩中に見かけた・・・この(↑)不思議なお方。。。 写真を撮りながら・・・かなり ジィーーーーッ と見つめた上で私が下した結論は 「二足歩行出来るようになったキツネ君」 というものだが・・・どう?そう見えない??? この不思議なお方も 『夏ボッサ』 を聴いたら・・・腰をくねらせて躍り出すような気がしてならない。。。(笑) **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
女性に向けて書かれた森の本
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- 2010/07/09(Fri) -
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本屋を徘徊中に帯に記された言葉が目に飛び込んできた。 「パンプスを縫いで森へ行こう!」 「読むだけで深呼吸できる、女性のためのヴィジュアル・エッセイ。」 そう書かれていて・・・女性に向けて書かれた本だとわかった。 手にとってパラパラめくってみると・・・さすがにヴィジュアル・エッセイというだけあって使われている写真がなかなか素敵で。。。 私は男であり、もちろんパンプスもはかないが(笑)・・・この本を読んでみることにした。
『森へ行く日』 光野 桃 著 載せられている写真の美しさもさることながら・・・著者の光野さんが実際に歩いたお気に入りの森の数々が紹介されていて・・・ほとんどは行ったことのない森なのだが、私も歩いてみたくなるような気持ちになりながら読み進んだ。 紹介されている森は、「日帰りの森」と「少し遠くの森」とに分けられており・・・日帰りでの森歩きと森を歩き楽しみと共に特色ある宿の紹介なども読んでいて楽しめた。 私の好きな 赤沢自然休養林 も光野さんのお気に入りの森として「少し遠くの森」で紹介されていたのが嬉しかったりした。 それぞれの森の紹介も楽しく読めたが・・・森や山歩きが好きな私としても様々な気付きを与えてもらえた。。。 例えば・・・『世に雑草という名の草無し』・・・この言葉など ハッ とさせられた。。。 確かにそうだね。。。 ひとくくりに雑草と言ってしまうが・・・それは人が植えた作物や花を大切にする観点からみればそうなのかもしれないが・・・雑草と呼ばれる草たも森や山ではそれぞれの役割を持って生きているってこともあるんだよね。 本文にこんな記述がある・・・ 名著『ジーンとともに』の作者である加藤幸子氏が、桜ばかりを大事にし、雑草には見向きもしない日本人の、繊細というより狭い自然観について憤っておられるのをなにかで読んだことがあるが、その通りだろう。 (『森へ行く日』本文より) なんだか思わず唸ってしまうような記述だった。。。 確かにそうだよね。 もちろん桜や美しい花を愛でる心も大切だが、名も知らない草の花にも目を向けることのできる心も持ち合わせていてこそ繊細だと言えるんだろうと思った。。。 また、森の紹介の合間に載せられているショート・エッセイもなかなか味わい深いものだった。 おにぎりと神話との関係の話しなども面白かったが・・・「男は山に置いてみよ」という一文もなかなか興味深く。。。 ・・・。男は山にあるとき、本質がわかる。一番素敵なのは生きる力に満ち、サバイバル能力が高く、自然と響き合えるひと。一方、女は森に行くとみな可愛らしくなる。女には、自然の大きな手で愛撫され、少女に戻る時間が必要なのだろう。 (『森へ行く日』本文より) 私はどうだ? 森にある時に生きる力に満ちているだろうか・・・? どうにも怪しげではあるが・・・せめて森や山の中にある時、活き活きしていて出来れば楽しそうに見えたらいいなぁ・・・。 いかにも森に不釣合いに見えなければいいなぁ・・・とは思うかな。。。 こうして森の本を出した光野さんだが・・・今でも仕事では 都会の女 であり、ましてや山や森を歩くようになったのは50歳を過ぎてからだという。。。 そう考えれば誰でもいつからでも森や山に親しむ習慣が持てようというものだ。 そして・・・自分のお気に入りの山や森、そして里山という自然と親しむフィールドを持つことって・・・そういう場所を全く持たない人生に比べると・・・心の在り方において何かがきっと違う。。。そう思えてならない。 最期に・・・この本を読んだことによって、これから山間に行った時に山を眺めることが、これまで以上に楽しみとなるだろう一言を紹介したいと。。。 きっとそういう山との 縁 ってあると思う。。。 遠くから眺めて あたたかく 包み込まれるような 気がしたら その山とは相性がいい (『森へ行く日』本文より) **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
癒される歌声
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- 2010/07/03(Sat) -
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午前中にポツリポツリと降り出した雨・・・時間を追うごとに次第に強まっていった。 それでも時には小雨になる時間もあり、写真を撮りに行った先でそんな小雨のときに雨に濡れた花を撮ってみた。 そんな雨中の花と共に・・・今日出会った癒しの歌声を聴いてもらえたら幸い哉。。。 Predawn(プリドーン)・・・清水美和子という女性のソロプロジェクトだ。 雨だし・・・気分を変えたいなと思って新たな音を探していた。 私の場合、気分を変えたいときの手っ取り早い方法の一つとして新鮮な音楽を聴くというのも結構有効だったりする。 いや、ホントは音楽ではなく新たな女性との出会いの方が効果大なのだが・・・。 って、ジョークだから。もちろん!(笑) で、Predawnの歌声・・・なんだか懐かしいような、なんとも不思議な感じがするな~と思って聞いているうちに・・・知らず知らずにそのほんわかとした歌声が心に染みてきていて・・・。 『手のなかの鳥』 Predawn 聴いての通り・・・とてもナチュラルな感じのする歌声とアコースティックギターの音色がとてもマッチしていると思う。 7曲のミニアルバムなのが惜しい。。。 もっと長くこのちょっと不思議な雰囲気に浸っていたいとも思ったりした。 アルバムの紹介には 「清水美和子のソロユニットとして活動を開始後、全国リリース前にも関わらずフジロックなどのフェス出演を果し、業界関係者や早耳のリスナーの間では「和製ノラ・ジョーンズ」と評され既に話題となっている。聴く者の心にそっと染み入り魅了する天性の歌声。UKロック、オルタナテティブロック、ルーツミュージックを昇華し、少々ひねくれつつもドリーミングかつヒーリング的な聴き心地が融合された傑作! 」 とある。 「少々ひねくれつつも」という表現にはちょっと笑ったが・・・全曲確かにヒーリング効果のある曲に感じられた。 だが・・・ノラ・ジョーンズというのはどうだろうか・・・? むしろかつてのフォーク色を感じさせるような・・・ちょっと懐かしいような感じがするのだが。。。 「Little Green」という曲などは、ギターとハーモニカで始まり・・・なんだかボブ・ディランを思い出したりした。。。 ところで・・・雨中の花。。。 花弁の形も様々ならば、雨に濡れた花の表情も様々だ。。。 薔薇・・・花も葉も雨に濡れ。。。 ふと気付けば、この雨に散らされたかまだ萎れていない一片の花弁が地に落ちる前に葉の上で道草していたようで・・・そのまだ生気感じる花弁も雨の雫を湛え・・・。 天候は自然の為せる業。。。 晴れる日もあれば、雨の日もある。。。 雨だからといって憂鬱な気分になってばかりいるわけにはいかないよね。 雨の日なれば雨降りなりの楽しさを見つければ良いだけのこと。。。 そういう意味では雨に濡れた花の表情を観撮りするのもなかなか面白い。。。 小雨になった隙に花を撮り・・・癒しの歌声に出会い・・・結構いい気分転換になったような気がする。 この記事を記している現在もかなり強い雨が窓ガラスを叩いている。 まだ降るのかな・・・? 願わくば明日は天気良くなってほしいけど・・・望み薄かな? まぁ・・・慌てる事はないよね。 やまない雨なんてないもんね。。。 **この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです** |
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