A Short Story 〜 夕桜を観ながら・・・<とりあえず、その1>からの続き・・・
【2008.04/24の記事参照ください】
不思議と恥じることもなく笑い続ける彼女の姿を眺めながら・・・
その時のことを思い出していた。
それは、今日の花見のように彼女からの電話で始まった。
やはり数ヶ月悩んだ後、当時の彼(今回の彼とは一つ前の恋愛の彼)と別れた日のこと。
「やっぱり、もうダメ、続けられない・・・と思ったから、別れようと私から言いました!」
「そう。。。よく言った。偉い!偉い!」
「ですから・・・今晩、一緒にヤケ酒につき合ってくださいよ」
「まぁ。。。頑張ったからなぁ・・・」
と、いうことで・・・相それまでの談要員から慰め員に立場を変えて飲むことに・・・。
普段の彼女のお酒は、よく飲み、よく喋り、よく笑い・・・興が乗ればよく歌い・・・
と、発散系の飲み方だから、そう心配しなきゃいけない酒じゃない。
だが・・・さすがに別れた直後となれば、陽性に発散ってお酒にはなりにくい。
なんとか笑いながらも・・・時折目が潤んだり・・・
こちらも、激励するは、多少“・・・?”と思っても今日のところは同意して頷くは、なだめるは・・・で、なかなか忙しい酒となった・・・(汗)
1件目は和風の掘り炬燵風の席で、どっかり腰を落ち着けて飲むパターンだったのも良くなかったかもしれない。
ビールから冷酒に変えて・・・結構飲んでいた。。。
私、基本的になんでも飲むのだが・・・日本酒が結構好きで・・・
熱燗は好きではないから真冬でも冷酒で。
そして、冷酒を飲んだ時に最もハイな飲み方に突入することが多い。
その夜も二人でかなりハイになっていたと思う。
で・・・2軒目は、私的には、ちょっとクールダウンするつもりで、行きつけのバーへ。
そのバーのカウンターは、二席ごとに天井から柱が床まで下りていて、案外隣の席の人達が気にならないスタイルのカウンター。
そこなら、多少込み入った話しをしていても、ふと隣の人と目が合って、ちょっと恥ずかしい気持ちになったりしないから良い(笑)
カウンターに座った当初は、まだ元気だった彼女だが・・・3杯もお任せでカクテルを作ってもらって飲むと・・・さすがに気疲れなのか飲み疲れなのか・・・大人しくなって、頭が フラリン としてきた。
今日は・・・そろそろだな・・・。
そう思った頃、彼女がトイレに向かった。
歩く後姿も・・・ちょっと足にきていて危なげ。。。
彼女がカウンターに戻ってくるまで少し時間がかかった。
戻ってきた顔をを見れば・・・少し青白くなっていて・・・。
トイレで吐いて来たのかも。。。
“よし!今晩はこれまで! 帰るぞ!”
と、彼女の背中を ポンッ と叩き、同じく心配そうな目線を彼女に送っているバーテンさんにタクシーを頼む。
待つことしばらく・・・。
お店のドアからタクシーの運転手さんが顔を出し、到着を告げる。
“よし、行こう”
と、カウンター席から立ち上がった彼女のすぐ後ろについてドアに向かう。
その時だった・・・
すぐ目の前を歩く彼女が何かに躓いたのか、バランスを崩したのか・・・
右側によろけて倒れそうになった・・・
“アッ!落ちる!”
そのバーは、カウンターに座るお客の背中にちょっとした池のような水を湛えたスペースが設けられている。
私達は、カウンターの一番奥に座っていたから、その池を右手に迂回して、池の向こう側を通ってドアに向かおうとしていたのだ。
一瞬のことだった。
倒れこんでいく彼女の右手に回り込んで、彼女を抱きとめた。
つもりだった・・・。
彼女が倒れこんでくる勢いに抗うには、私もお酒で足にき過ぎていたようで・・・彼女を抱いたまま、二人して池に倒れ込んだ。。。
フロアからレンガ2、3段で仕切られているだけの池に、膝から上、抱き合ったままの男女、見事に着水!
慌てて彼女を抱き起こし、池からは立ち上がったが・・・
2人とも見事にズブ濡れに・・・。
後日、バーテンさんは大きくも無い池に倒れこんで、よく二人とも怪我しなかったもんですね・・・と、ズブ濡れより、しきりにそれを感心していた。
“俺、反射神経いいから・・・”って言っておいたが・・・。
照れ隠しの嘘。
たまたま運が良かっただけだろう。
それだけではなく・・・○○さん(私の本名)、よく咄嗟に彼女を止めようと体が動きましたね・・・とも言ってくれたことも付記しておく。一応(笑)
そんなことは後日の笑い話で・・・その時は店の中も大慌てに・・・。
とりあえず、バーテンさんが乾いたタオルを大量に持ってきてくれて、顔やら髪やら応急的に拭いて、なんとか体裁を整えようと大慌て。
“ホントに大丈夫ですか?”
と聞く、バーテンさんに
“いいから。いいから。大丈夫”
みたいなことを言って店を出たんだと思う。。。たぶん。。。
季節はちょうど梅と桜の間の時期、夜はまだ冷える。
店のドアからタクシーへ向かうだけで、濡れた体が一気に冷えた。
タクシーに乗ってやれやれ・・・なのだが・・・。
隣の彼女をふと見れば・・・両手で身体を抱きかかえ、細かく震えていて顔色真っ白、おまけに長い髪が濡れて服にへばり付いているような姿・・・。
「どちらへ参りましょう?」
と、一連の飛び込み騒動でやや待ってもらうことになったタクシーの運転手さんが、若干 まいったな って雰囲気を感じさせるように聞いてきた。。。
さて・・・・・・・・・どうしようか?
まともにいけば、このバーは私の家のすぐ近く。
“じゃぁ〜また!”っと、私が降りて、彼女がそのまま乗っていけば良いのだが・・・。
いかにも水に落ちました・・・って風情で彼女を帰したら・・・彼女の家は大変なことになりそうだし。。。
それより、以前に、こんな状態の女一人残して“じゃぁ〜また”ってわけにも・・・
その頃すでにオンエアされていたかどうかは知らないが・・・
まさにCMのオダギリ・ジョーの 『どうする俺!』 状態に陥っていたのであった。。。
ここまで・・・
こうして記事にするのも大変なことなのだが・・・まだまだこの夜の私の“大変”は続くのであった。
その模様は・・・おそらくそのうちまた続きの記事を書きますので・・・そちらで。。。
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