映画化もされ、デビュー作で大ベストセラーとなった『シンプルプラン』のスコット・スミスの13年ぶりの第2作目。
舞台はメキシコの密林の中・・・アメリカからの旅行者である大学生の2カップルは、旅先で知り合ったドイツ人青年の弟を探しに、やはり旅先で知り合ったギリシャ人一人も交え・・・男4人、女2人で密林へと足を踏み入れた。目指すは手書きの地図に記された森の奥地の遺跡発掘現場。
そこで彼らを待ち受けていた恐怖とは・・・。
というストーリーで、『シンプルプラン』同様、限定された登場人物達の心理描写が芯となるミステリー。
13年ぶりの新作ということで、前作での独特の緊張感と心理描写の巧みさに酔いしれたファン待望の新作ではあるが・・・思いのほか評判は高くない。
それはきっと、登場人物6人が対決(と、呼べるかどうかは議論が分かれるだろうが)することになる“そのモノ”がちょっとSF的に過ぎたきらいがあるし、“そのモノ”の正体について、読者各々が一定の得心を導くことが出来るほどの設定も説明も為されていないから・・・かな?と思ったりする。
しかし・・・あまり解説者的に読まずに・・・自分の思うがままに解釈して読んでいけば・・・ストーリー展開とはまた違った“怖さ”を感じるような小説だと思う。
例えば・・・人類が火を手にして以来、加速度的に自然破壊を推し進めてきたとも言える、人類にとってだけ都合の良い文明に対し・・・種保存の本能から特異な進化を始める生物が密林の奥地で産声を上げた。。。
この物語は、そうした自然の人類文明に打ち勝つための進化のほんの始まりにすぎなかった。。。
とか・・・
現実にインフルなどの各種ウィルスは人類の対処療法を克服しながら進化を続けているわけで・・・もしその進化に人類に対する明確な“悪意”が芽生えたら・・・。
その敵対的な悪意の芽が自然界に広がり始めたら・・・。
みたいに、私は勝手にこの物語の前提を読後に考えたりしてみた。
後付けの前提ではあるが・・・そうするとこの物語の怖さが、また ジンワリ と深まるように思う。
ストーリー展開は、私の予想では“生き残る”はずの人物が最初に死んだ時点で・・・先を予想する事は放棄し・・・ジワジワと包囲の輪を狭められるような不気味さを登場人物と共に味わうように、ストーリー展開に安易に身を預けました(笑)
ラストには決して納得はしていないのですが・・・。
この作品もすでに映画化されているとのこと。
果たして原作そのままのラストで客が呼べるのか・・・ちょっと疑問ではある(笑)
だが、執拗と言っても過言ではない登場人物たちの心理描写には・・・一気に読まされてしまう引力を感じたし・・・もし、熱帯の密林に誘われることがあったとしても・・・当分はこの小説を思い出して、諾とするを躊躇させるだけのインパクトはあった。
しばらくは・・・山歩きしても蔦や蔓が絡まりあったような深い森には入りたくない・・・と、思っているし、現実にそうすると思う(笑)**この記事に何か感じるところがございましたらクリックいただければ幸いです**